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日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/09/25

【埼玉】埼玉県造園業協会 県7部局長に安定的な受注機会確保など要望

 埼玉県造園業協会(渡邉進会長)は19日、県庁を訪れ、7部局長に要望活動を行った。県内造園企業が緑化技術の継承や雇用確保を図っていくため、安定的な緑化関係公共工事予算と造園関係の分離・分割発注等による受注機会確保を求めた。
 当日は協会から、渡邉会長、阪上清之介副会長、西山敏治副会長、三枝和男副会長らが出席。また、今年3月に発足した埼玉県議会自由民主党議員で構成される造園業振興懇話会から小島信昭会長、神尾善幹事長が同席した。
 要望の主なものとしては、植栽後一定年数を経た街路樹を計画的・段階的に更新する施策化を盛り込んだ。街路樹で大木となった樹木は、台風や突風など自然災害時に倒木や落枝することがある。道路利用者への安全確保の観点からも、植栽後30年程度を経過した街路樹は、計画的に更新を図るべきとし、現在、国道463号をモデル路線として始まっている施策を、県内全域に広げてほしいと求めた。
 また、植樹帯管理業務委託の複数年契約の検討を求めた。県の河川雑草刈払業務委託は、本年度から一部河川で2年間の複数年契約が開始された。「受注機会のみを考えると減少が考えられたが、受注者の責任感の増大や出来栄え、育成などの観点を考慮するとメリットがはるかに増えている」とし、植樹帯管理業務委託でも複数年契約を検討してほしいと求めた。
 県内の694人が認定されている街路樹剪定士と、83人が認定されている植栽基盤診断士の活用については、有資格者の配置を特記仕様書に記載している例や、入札等の参加要件とし発注している案件があるとし、本県でも積極的な活用を求めた。
 同協会によると、建設投資額の減少により造園工事も発注の減少が続き、受注競争は激化により造園工事業の経営は深刻な状況に追い込まれている。埼玉県発注の造園工事額を見ると、2020年度は約13億2000万円、21年度は、約16億1000万円、22年度は約11億7000万円と減少傾向にあり、1994年度や95年度の約30億円の半分程度まで落ち込んでいるという。
部局別の主な要望事項は次の通り。
【環境部】
▽「全国都市緑化フェア」の埼玉県での再開催
【産業労働部】
▽技能検定2級・3級の実技試験受検手数料に対する減免措置を35歳未満まで対象に
【県土整備部】
▽安定的な緑化関係公共工事予算と受注機会確保▽植栽後一定年数を経た街路樹の計画的・段階的な樹木更新の施策化▽植樹帯(街路樹を含む)管理業務委託の複数年契約▽国・県道バイパス整備における歩道や中央分離帯の植樹スペース確保▽「街路樹剪定士」「植栽基盤診断士」活用
【総務部】
▽社会貢献や防災協定締結者などの入札公告への記載試行
【農林部】
▽「彩の国みどりの基金」関連事業の実施への造園・緑化専門企業の活用▽安定的な緑化関係公共工事予算と受注機会を確保▽2025年開催の「第75回全国植樹祭(県営秩父ミューズパーク内)」会場整備とレガシー(記念エリア等)づくりへの造園・緑化業者活用
【都市整備部】
▽安定的な緑化関係公共工事予算と受注機会を確保▽大宮スーパー・ボールパーク構想実現への加速と県内造園技術活用▽「県営公園整備」や「都市緑化」など県の公園緑地施策推進へ県組織の一元化検討
【企業局】
▽産業団地整備事業の植栽工事の分離分割発注