日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/09/22
【埼玉】大野知事、建設DXで埼玉県建設業協会と意見交換/世代格差や設備投資で本音
大野元裕知事は20日、県民や県内事業者らと直接対面する「どこでも知事室」の一環として、埼玉県建設業協会(小川貢三郎会長)の幹部らと建設DXを巡る課題について意見交換した。新技術に向き合う世代間の認識格差、設備投資に対する経営者の目線などで率直な本音を確認。知事の新たな政策手腕が期待できる機会となった。
協会側は「年齢の高い従業員ほどアレルギーはある。若い人は新技術への興味が強く、覚えも早い」と説明。ICT施工の専門部署新設など、従来の枠にとらわれない組織編制に取り組む企業があることを伝えた。
協会側は「便利さを知ることで徐々に認識は変わる」「使いながら操作を覚える意欲的なベテランはいる」とも説明。地道な研さんが全体のDX加速の近道だとした。
知事は「実際のところDXによる生産性向上の貢献度合いはどうか」と質問。協会側は、単に完工高を従業員数で除すような数値化では効果が見えにくい現状があるものの「新技術を入れるたびに(生産性向上の)体感は強くなっている」と説明した。
さらに知事は「多くの場合、リースがいくらとかの類で話が止まっている。こういった企業をどうすれば導けるか」とも踏み込んだ。「DXを工事成績評定で加味するのはどうか」との返答や、「成績評定を気にしない経営者もいる。設備投資をしても大丈夫という目線が必要では」などの提案が出た。
また、担い手確保の観点から協会側は「県立高校が実習に使う測量機器が旧式で、実際の現場では使えない。新しい機器の配備をお願いしたい」と訴えた。