日本工業経済新聞社(群馬)
2023/09/22
【群馬】高崎市木部町に水防拠点 盛土は約20万立方m
国土交通省高崎河川国道事務所は、高崎市木部町地先で木部地区防災拠点(仮称)の整備を計画していることを明らかにした。水防拠点は約20万立方mの盛土により整備を計画する。2023年度は地質調査と詳細設計を実施。24年度以降に用地幅杭の設置や境界立会、用地測量・用地買収を行い、早期の工事着手を目指す。洪水時において円滑・効率的な災害復旧活動や水防活動を支援するための施設として整備する。
地質調査は日本工営(東京都千代田区)が24年2月29日までの履行期限で進めている。詳細設計は、10月10日に開札するR4高崎管内防災施設修正設計他業務でまとめる。
木部町地先に整備する水防拠点は、主要地方道寺尾藤岡線バイパスの新鏑川橋から約580m下流に向かった鏑川左岸側の敷地約5万uに新設する。木部町は同事務所管内のほぼ中央に位置しており、管内全域をカバーできることや災害時の防災機能、平常時の一般利用、施工性などの観点で比較検討を行った結果、木部町地先を選定した。整備候補地は◇堤防天端からの乗り入れが可能であること◇資材を備蓄するために必要となる約2万uの土地を確保できること◇浸水想定最大規模において、防災拠点が浸水しないこと−を条件に抽出を行った。
民地側の敷地を盛土により約4m嵩上げし、整備する方針。盛土は河道掘削で発生する約20万立方mの土を使用して行う予定。敷地内には◇備蓄資材置場◇水防用資材作業ヤード◇車両回転スペース◇ヘリポート◇駐車場−を設ける。備蓄資材置場には土砂や根固めブロック、護岸ブロックを保管する予定。
烏川・神流川流域は一度、氾濫が発生した場合には多くの浸水被害が生じる可能性があり、氾濫水は鏑川や神流川の支川堤防により貯留され、浸水時間が長期化するとともに浸水深が深くなることが想定される。さらには線状降水帯などの異常洪水や気候変動により洪水の発生リスクが高まっており、被害の増大が想定されるため、烏川・神流川周辺での洪水氾濫などの大規模災害時に迅速な応急復旧が可能となるよう整備を計画した。
なお、近傍には奥戸防災ステーション(栃木県足利市)、上新郷地区河川防災ステーション(埼玉県羽生市)が整備されているが、奥戸防災ステーションは同事務所管内下流部からの距離が30・5q、上新郷地区河川防災ステーションについては同事務所管内下流部からの距離が31・7qとなっており、近傍にある河川防災ステーションから離れており、管内での拠点整備が必要な状況になっている。