神奈川県は、県内にある338病院のうち、31の病院が一部建物の耐震性に課題があり、30病院は耐震診断を実施していないことを明らかにした。県は補助金などの支援策を活用し、早期の対策を促す考えだ。
2021年に実施した調査によると、全ての建物に耐震性が不足している病院は5施設。このうち、建て替えや移転の予定がある病院が3施設、自己資本が不足しているなどの理由で建て替え未定の病院が2施設となっている。
これらを除く県内272の病院については全館で耐震性を満たしている。災害拠点病院の35施設では、建て替え中の1施設を除く34施設で診療に関係する全ての建物の耐震化が完了した。
黒岩祐治知事は、「県では15年から国の財源を利用した病院の施設整備の支援を行っているが、昨年度までの補助件数は21件にとどまっている。県は、耐震化が完全に終わっていない病院に対し、国庫補助を活用した耐震化工事の支援について神奈川県病院協会とも連携して周知し、活用を呼びかけていく」と答弁。9月19日の神奈川県議会第3回定例会の一般質問で、森田学議員(立憲民主党・かながわクラブ、横浜市戸塚区)が質問した。
提供:建通新聞社