秋田市市場管理室は、卸売市場再整備で新たな施設配置案「パターン3」を基本に施設配置案を検討する。パターン1・2で分離していた青果低温センターを青果棟と一体にし、水産物冷蔵庫・冷凍庫棟を卸〜仲卸間に一体配置する。基本構想で現在の位置に残すとしていた民間(みづき)の低温物流センターを南側の敷地に移転させることで東側にスペースが生まれ、建設時のローリング工程がパターン1よりも減るため、全体工期が67カ月と最も短くなる。
基本計画策定の検討状況を21日の市議会教育産業委員会で説明。基本構想では青果棟と水産物棟を一体化する「パターン1」と、青果棟、水産物棟、花き棟をそれぞれ単独の施設として整備する「パターン2」の2案を示していたが、工期短縮や余剰地の活用について民間事業者を対象に実施したプレヒアリング(4月〜6月)や、5月に実施した市場内の部門別ワーキング部会での意見を踏まえ、パターン3を作成した。
8月の部門別ワーキング部会や今月11日の市場内検討会議では「市場全体のまとまり、施設配置、物流動線を考えると、パターン3が望ましい」などの意見を得ている。
パターン3は、場内中央部に青果物棟・水産物棟を一体配置し、中間に大屋根をかけることができるほか、各棟の共卸売場、仲卸売場に対して買荷保管スペースを付属させる点でパターン1(一体型案)と共通している。青果棟の近接にはバナナ棟、青果共同加工センター、倉庫棟に加え、東側に配置していた青果低温センターも配置させる。パターン1で水産物棟の北側に分離設置していた冷蔵庫・冷蔵庫棟は卸〜仲卸間に一体配置。青果棟の南側には立体駐車場や共同のごみ集積所棟、水産物棟の南側には花き棟を設置する。
また、平成 27 年の竣工で引き続き使用が可能な民間(みづき)の低温物流センターは基本構想で現在の位置(東側)に残すとしていたが、南側に移転。管理棟は西側(南門付近)に設置する。
パターン1の施設建設は、@水産物棟→A青果棟(水産物棟跡地)→B花き棟・管理棟(青果棟跡地)→Cバナナ棟・倉庫棟→D秋田青果低温センターの5期82カ月で行う計画だったが、市場内事業者から動線の改善などの要望を受けパターン3を作成。東側にあるみづきの物流センターを南側の敷地に移転させることで東側にスペースが生まれ、@花き棟・管理棟→A青果棟→B水産物棟の3期67カ月で建設が可能となり、工期が短縮される(パターン2は4期72カ月)。
なお、市場の活性化や賑わい創出に寄与する活用が検討される「余剰地」についてはパターン3にした場合、北側に約46,600uが生まれる(パターン1は南側約42,500u、パターン2は東および南側約41,700u)。
市は今後、10月の市場部門別ワーキング部会に売り場面積や使用料のたたき台、概算事業費などを示す予定。11月には市議会閉会中教育産業委員会で施設規模などを説明する考え。
提供/秋田建設工業新聞社