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北陸工業新聞社
2023/09/21

【福井】儲けて稼げる林業を目指す/FukuiForestDesign協定締結式行う/「大きな林業」と「小さな林業」組み合わせ/山の価値を最大化山村地域の活性化も

 福井県は19日、儲けて稼げる林業を目指す「Fukui Forest Design」の協定締結式を行った。場所は、福井市北菅生町の木製トレーラーハウス前で。
 協定者は、県と飯田グループホールディングス(兼井雅史代表取締役社長)、ファーストウッド(富島寛代表取締役社長)の3者。式上、杉本達治知事と兼井社長、富島社長が挨拶した。
 事業と連携協定の概要は、県の児玉康英農林水産部長が紹介。代表者で協定書に署名し、来賓代表として前総理の菅義偉衆議院議員が祝辞を述べ、記念撮影した。
 来賓は、稲田朋美衆議院議員、滝波宏文参議院議員、阿達雅志参議院議員、西本正俊県議会議長、松田泰典県議会議員、東村新一福井市長、青山豊久林野庁長官、石田良行林野庁林政部木材産業課長が参加した。
 「大きな林業」と「小さな林業」の最適な組み合わせで、相乗効果を生み出す。山の価値を最大化し、儲ける林業・稼げる林業と、山村地域の活性化をも図る方針。
 県内の人工林12万ヘクタールのうち、収益性が高い森林において▽災害リスクの低い林業適地では「大きな林業」(ふくい型林業経営モデル)▽集落周辺の急勾配な森林では「小さな林業」(自伐型林業)を実施する。
 大きな林業では、森林所有者と林業事業体が、主伐・再造林・保育について10年程度の長期一括契約を締結する。効果には、主伐の推進で収益アップと県産材生産量の拡大を進め、森林所有者の管理負担の解消を図る。
 デジタル庁と協働し、森林所有者情報の精度向上にむけた取り組みを行う。デジ庁において不動産登記の変更情報を、各種台帳に自動通知できるシステムを構築(2025年度から運用開始予定)。今年度は、福井市などをモデル地域に、不動産登記簿、林地台帳の地番単位のデータを紐づけするために不動産登記番号を付与する。また、デモシステムを構築し、登記変更データの自動送信・受領を検証する。
 小さな林業では、県内の自伐型林業実施団体(一般社団法人2団体、ほか3団体、23年4月現在)が山村地域の活性化を担う、などとしている。

3者による協定内容

■主伐収益の向上と、低コスト再造林・保育
・確実な再造林に向けた苗木の生産体制の強化
・県産材を利用した家具などの情報の発信と販売
■自伐林家の人材育成と、経営モデル
・自伐型林業学校生の受講しやすい環境づくりや半林半Xが軌道に乗るまでの就業機会の確保
・自伐林家が生産する木材の6次産業化や観光などの収益性の高い副業モデルの実証
■その他
・森林・林業・木材産業の振興のため関係者間での人材交流
・県内林業の活性化を目的としたイベント等の開催
■「福井県産材活用研究会」の設置
・県産材製品の販売戦略の検討
・県産丸太(A〜C材)の新たな活用方法の検討
・自伐林家の半林半Xの「X」部分の検討
・効率的な施業の集約化に関する手法の検討
■今年度内に実施予定
・県産材を利用した製品の情報発信
・「フクモクフェス」の開催に向けた連携
・自伐型林業学校生への生活や宿舎などの環境づくりに関する支援
・県産材活用研究会の発足

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