日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/09/20
【埼玉】建災防埼玉県支部、第50回大会を開催
建設業労働災害防止協会埼玉県支部(建災防県支部、島村健支部長)は14日、節目となる第50回埼玉県建設業労働災害防止大会―一人KY推進運動埼玉の集い―を埼玉会館で開催した。支部員企業から多数の参加者が詰め掛ける中、久知良俊二埼玉労働局長など来賓多数を招き、同運動への積極的な参加を呼び掛けた。また、安全講話や記念講演も行われ、参加者は、労働災害防止へ決意を新たにした。
島村支部長は、支部で今年度から新たに実施している『一人KY推進運動埼玉』に、運動の実施を呼び掛けた後、「建設業を取り巻く環境は、復興工事、防災、減災のためのインフラ整備など工事量が高水準で推移することが見込まれるものの、依然として技能労働者の不足や若年入職者の減少など、労働災害の増加要因が懸念されまる。国の基幹産業である建設業に従事する方々が悲惨な労働災害に遭うことがないよう関係各位と連携し、建設業における労働災害の根絶に向けて効果的な防止対策を着実に実施していかなければならない」と強調。安心して働くことのできる安全で快適な職場環境づくりへ協力を求めた。
来賓あいさつで久知良局長は「県内建設業における昨年の死亡災害は7件発生し、そのうち3件は墜落・転落、2件が熱中症によるものだった。熱中症による死亡災害は昨年、他業種を含め4件発生したが、これは埼玉県としては過去最多。今年はそれを踏まえ6月に、建災防を含め関係団体に熱中症防止の取り組みを要請した。今年の方が去年よりも気温が高かったが、皆さまの取り組みの努力の結果として、現時点で熱中症による死亡災害は発生していない。基本的な対応を積み重ねることで労働災害が防げるものと改めて感じた」と述べ、参加者に大会を契機に労働災害のない職場づくりに引き続き取り組んでほしいと呼び掛けた。
このほか来賓には、金子勉県土整備部長の代理で木村暢宏建設管理課長、小川貢三郎埼玉県建設業協会長の代理で真下敏明副会長が招かれ、建災防県支部の労働災害防止に向けた活動に敬意を表すとともに、引き続き安全への意識を一層高め、労災防止活動の充実を図るよう期待した。
本年の表彰は、事業場賞9社、個人賞の功績賞9人、職長賞7人。島村支部長から表彰状が手渡されると、会場の参加者は大きな拍手で祝福した。受賞者を代表して、近藤建設の関武さんは「表彰を受けたことはこの上ない喜びで名誉なこと。危険のない安全な職場を実現させ、災害ゼロ達成へ緊張感をもって努めていく所存」と謝辞を述べた。
休憩後の第2部では、埼玉労働局労働基準部の北代昌巳部長が、建設業における労働災害防止について安全講話。続いて、建災防県支部の労働災害防止活動推進委員の山本丈二委員が、一人KY推進運動埼玉の実施について発表。第3部では、労働安全衛生総合研究所で工学博士の高木元也氏が「ヒューマンエラー災害に挑む」と題した記念講演を行った。
本年度の表彰受賞者は次のとおり。(敬称略)
【事業場賞】
▽岡村電機▽伸明建設▽斉藤建設工業▽オキナヤ▽昭和工業▽元建設▽住協建設▽渡辺工務店▽シンテック
【個人賞(功績賞)】
▽篠原英紀(関口工業)▽掘一郎(埼玉建興)▽欠端一雅(八洲電業社)▽内海孝仁(横尾建設)▽関武(近藤建設)▽松山敏彦(松永建設)▽久保田篤(久保田工務店)▽藤村健一(サイカン工業)▽竹前順一(新井建設)
【個人賞(職長賞)】
▽武田誠一(丸三工業)▽菊池卓也(中原建設)▽白取幸夫(三芳仮設機材)▽齊田泰明(三上工務所)▽鈴木夏樹(コスモ電業)▽高塚伸広(門井建設)▽中村将太(中村工務店)