秋田市まちづくり戦略室は、外旭川地区のまちづくりで作成を進めている地域未来促進基本計画に関し、当初は重点促進区域(重点的に地域経済牽引事業の促進を図るべき区域)にする予定だった卸売市場およびその北、東、北東の範囲を土地利用調整区域(モデル地区)として設定し、字待合、字小谷地、字大樋、字木崎、字神田を重点促進区域として設定する。重点促進区域を字単位で設定するよう東北経済産業局から指摘を受けたため。20日の市議会総務委員会に示し、「(外旭川地区)全域をモデル地区にはしない」との考えを説明している。
市はモデル地区の整備で地域未来投資促進法を活用するため、地域未来基本計画を作成し、年明け1月に県産業政策課へ最終案を提出する予定。
地域未来投資促進法は、地域特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に相当の経済的効果を及ぼす「地域経済牽引事業」の促進を目的とした法律。同法を活用するためには、地域経済牽引事業の促進に関する基本的な計画(地域未来基本計画)を作成し、国の同意を得る必要がある。
基本計画には◇促進区域(行政区画単位で設定)◇経済的効果に関する目標(重点的に牽引事業の促進を図るべき区域)◇戦略的に活用する分野(成長ものづくり、農林水産・地域商社、デジタル、観光・スポーツ・文化・まちづくり、環境・エネルギー、ヘルスケア、教育サービス、その他から選択)◇土地利用調整に関する事項(農地および市街化調整区域を地番単位で定める)◇計画期間(原則5年間)―などの事項を盛り込む。
今年5月には県に素案を提出し、6月には県を通じて東北経済産業局へ事前相談。8月には重点促進区域に関する指摘事項等を踏まえ、計画の暫定案を県に提出している。1月に最終案を提出した後は4月に国へ申請し、6月頃に国から同意を得る予定としている。
モデル地区として検討する範囲のうち、現在の卸売市場敷地を除いた農地部分は県営土地改良事業の受益地の一部となっており、地域未来投資促進法の特例措置を活用して農地転用した場合は、補助金返還の対象となる可能性が高いという。事業が具体化すれば、国や県と協議のうえ、負担の必要性や支払時期、負担額、負担主体などが確定するが、基本的には地域経済牽引事業を行う民間事業者が負担することを想定している。
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秋田建設工業新聞社