加茂市・田上町消防衛生保育組合(管理者・藤田明美加茂市長)が計画する、新ごみ処理施設整備の進ちょく状況について、19日の市議会全員協議会で説明された。
2022年度から着手した建設候補地については、現在地を含むゼロベースで検討することとし、藤田管理者は「地域内のあらゆる可能性を考え、現在、加茂市4カ所、田上町4カ所の計8カ所を選定し、それぞれの地点のメリット、デメリットを評価したところ」と話した。
その一方で、建設業を取り巻く環境に触れ「建設工事費の高騰。さらに建設業界の慢性的な人材不足に加え、24年4月からの働き方改革関連法における時間外労働の上限規制が適用される」とし、週休2日制の導入や適正な工期設定が求められることから、「工事期間が長くなるなどの影響を受ける」と課題に挙げた。21年度に策定した基本構想時点では、日量45トン(17・5トン/16h×2炉)クラスのストーカ式焼却炉は(整備費を)約60億円と見積もっていたものの、23年度ではトン単価が1億5000万円を超え、70億円に達することが想定され、藤田管理者は「今一度、基本構想について再考する必要がある。建設費の高騰要因のほか、ごみ処理量の減少も要因の1つ。現在、進めている候補地選定作業をいったん停止し、その間にもう1度適正な方法について検討したい」との考えを明らかにし、理解と協力を求めた。
1980年竣工の清掃センター(田上町大字原ケ崎新田地内)は老朽化などから施設のあり方が検討され、2031年度からの供用開始が予定されていた。