名古屋市の9月定例会で15日、議案外質問が行われ、森ともお議員(民主)が熱田神宮周辺まちづくりについて質問、再開発に向けた検討が進められている熱田神宮駅前地区(区役所南地区)における所有者不明物件が10件まで減少していることが分かった。日下雄介住宅都市局長は、所有者不明物件について一定の成果が得られたと説明、残る物件についても引き続き調査を進めるとした。同地区の再開発具体化が進まない大きな要因となっていた、所有者不明物件の調査が一定程度進んでいることで、今後の再開発検討の進捗が期待されるところだ。
熱田神宮駅前地区は、JR熱田駅(東側)、名鉄神宮前駅(南側)、熱田神宮(西側)に囲まれた街区面積約3・5fのエリア。このうち、市有地は熱田区役所南側の約0・72fが含まれている。
地権者数は約100者で、このうち所有者不明物件は当初40件あり、調査を進めてきた結果、現在は10件だという。
日下局長は、所有者不明物件の調査を引き続き進めるとともに、地権者に丁寧な説明を通じて、構想具体化に向けて取り組む考えを説明した。リニア中央新幹線が開業し、交流人口の拡大が見込まれる時期を見据えて取り組むともした。
住宅都市局は、熱田周辺のまちづくりで本年度、熱田神宮駅前地区を含む熱田神宮周辺エリア全体のまちづくりについて、まちづくり団体や開発事業者、交通事業者など地域関係者とともに、まちの将来像や活動方針、土地利用の方針など、まちづくりの方向性について取りまとめをするため検討を行っている。また、エリアの回遊性向上やまちづくりの機運醸成のため、周遊交通の社会実験を実施する予定だ。区役所南地区の活用検討では、まちづくり方針に基づく神宮周辺エリアのコア施設として、市街地再開発事業を前提とした事業手法の検討、エリアの魅力向上・利便性向上につながる機能導入の検討を行っている。
提供:建通新聞社