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日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/09/14

【埼玉】24年度予算編成動向/さいたま市、国庫補助の活用一段と

 2024年度予算の編成に向け、さいたま市の動きが活発化してきた。このほど公表した予算編成方針には「ゼロカーボンシティの実現に向けた脱炭素の加速化」「DXの推進」などを掲げ、持続可能な都市発展に結び付く予算措置に重きを置く。物価高騰の影響が長引き、先行き不透明でもある中、国庫補助のメニューや配分率を細かく分析した上で、これまで以上の積極活用を図る考えだ。
 市の24年度当初予算における収支不足額は、都市基盤整備など大規模事業の進行、義務的経費の増加もあり、23度当初予算の不足額(199億円)を上回る322億円が見込まれている。こうした中でも大都市としての成熟を深め、人口減少の局面を乗り越える施策を打っていく。
 脱炭素の加速化では、脱炭素先行地域でもあるさいたま市発の「公民学によるグリーン共創モデル」を進める。電力の地産地消、民間活力を生かした再生可能エネルギーの拡大などを目指す。DXの推進では市民サービスの向上、市役所業務の効率化につながるデジタル活用への転換を図る。
 大規模なまちづくり、都市基盤整備を自治体の財政だけで賄うのは現実的ではなく、国庫補助の有効活用が欠かせない。開会中の9月議会で、この観点が取り上げられた。
 11日の一般質問で渋谷佳孝市議(さいたま自民)は、今後の予算編成を念頭に「国への要望などの方法を工夫し、これまで以上に国費を取りに行く必要がある」と強調した。
 清水勇人市長は「これまでも必要な国庫補助の確保に努めてきたが、分野別の補助金の配分をしっかり分析するとともに、新たな補助メニューなどの動向を注視する」と答弁した。
 さらに「国庫補助が配分されやすい重点事業への位置付け、内示率の高い補助制度の積極的な活用」などに努める考えを示した。
 23年度当初予算の収支不足額はこれまでにない規模となり、市は財政調整基金の取り崩しや、特例的な市債の活用で収支均衡を図っている。国庫補助活用などでは、これまで以上の手腕発揮が期待される。