県長浜土木事務所は、米原市大久保地先で計画する十郎谷川砂防事業について、砂防堰堤設置の計画地近くにある史跡に配慮し、22年度委託した修正設計において整備予定の工事用道路を2ルートから1ルートに減らす変更内容で9月末にも業務を完了する見通し。業務完了後は追加分の流木補償を経て順調にいけば23年度内にも、全長約400〜500bとなる工事用道路のうち、初弾として約200bを対象に道路整備工事を発注・着工したい考え。続いて24年度内にも残りの道路整備工事を発注し26年度にも道路完了の後、早ければ同年度内にも堰堤本体工事を発注・着工し、副堤の施工期間等も経て、約3ヵ年で堰堤を全体完了させたい意向だ。
22年度発注した修正設計を行う十郎谷川単独砂防設計業務委託はES.Cube.(米原市)に委託し(22年11月16日開札)、当初の5月26日までの委託期間を9月末まで延長中。砂防堰堤の修正設計では、堰堤の計画位置が米原市が指定する史跡「長尾寺遺跡」地内となり、掘削負荷、1b以上の根入れ不可等の土地利用制限が設けられているが、史跡内の施工通行は大型モノレールを想定しているため、他の工法を含め比較検討を行い、最適案を選定する。現時点では堰堤は本体および副堤を整備する方針。このほか遺跡との近接を配慮すべき条件として、道路規格林道2級・設計速度時速20qの道路詳細設計と、擁壁・補強土工を想定する一般構造物詳細設計を行う。現時点では検討の結果、道路は予定していた遺跡を回り込む2ルートのうち1つは整備をやめ、延長約400〜500bの残る1ルートのみ工事用道路を整備する計画に変更となっている。
十郎谷川単独通常砂防事業は過年度完了した小泉工区に続き、米原市大久保地先の「大久保工区」で砂防堰堤1基の設置と工事用道路約4〜500bの整備を計画。9月末完了する修正設計で最終決定する最適案にのっとり23年度第4四半期中にも初弾として工事用道路約200bを発注、約1ヵ年で施工し24年度第4四半期にも残り区間の道路工事を発注・着工し実工期1〜2ヵ年で施工・道路完了の後、26年度第4四半期にも主堤・副堤を計画する堰堤本体工事を発注・着工、29年度の完了を目指す。
提供:滋賀産業新聞