甲賀市は、紫香楽宮跡関連遺跡群を活用し新たな観光拠点施設を建設する「紫香楽宮跡史跡整備」について、宮町地区を対象とする第1期整備計画の実施設計を緑景(大阪市中央区)に委託し年度内にはまとめる。流動的ではあるが、24年度から2ヵ年で各種工事を進めていく方針だ。
同整備は、文化財保護法に規定されている国指定の信楽町大字宮町堂浦及び西出地内の約8990平方b内に、S造平屋建、471・89平方bの遺構の概要を見学者に説明するための遺構保存活用施設、施設エントランス部分として面積3628・76平方bの透水性舗装の多目的広場、見学スペースとして遺構周辺を張芝で囲む2540平方bの芝生地、さらに、雨水調整池や案内板・説明板の設置―などの整備工事を計画的に行うもの。また、第1期整備では「北の拠点施設」の遺構保存活用施設の建設として位置づけられ、中期計画(平成36年度〜平成45年度)に定められている。今後については、▽宮町地区・新宮神社地区・鍛冶屋敷地区での公有地化の促進▽地域主体による史跡活用に向けた事業活動の育成と行政的支援の実施―等を中期的に実施していく考え。
紫香楽宮跡は、奈良時代中頃に聖武天皇が造営した都城遺跡で、当時の日本の首都に当たると言われている。宮町地域をはじめとする雲井地区からは同宮跡の観光地化整備を望む声が多く、市としても自然と歴史・産業・文化・芸術をネットワークで結ぶ構想推進に寄与するとの考えから、公益性が高いと判断し整備着手を決めた。
提供:滋賀産業新聞