名古屋市住宅都市局は9月8日、名駅南まちづくり懇談会を開き、名駅南地区のまちづくり方針案を示した。名駅南1〜2丁目のうち、主に三蔵通と名駅南通(仮称)よりも名古屋駅側の区域を開発促進エリアと位置付け、民間再開発事業の促進や市街地再開発事業などの事業支援に取り組む考えを示した。三蔵通と名駅南通は沿道活性化エリアとし、まちなかウオーカブル区域やほこみちといった制度の活用を通じて、税制特例や財政支援を行い、快適で魅力ある沿道の形成を目指していく。今後、11月ごろに素案をまとめる見込み。まちづくり方針は本年度末に策定する予定だ。
開発促進エリアに位置付けるのは、名駅南地区のうち、西側を名鉄再開発計画の区域、東側を名駅南通(祢宜町下笹島線、都市計画道路笹島線(東側区間))、南側を三蔵通沿道で囲まれる区域。名駅南の玄関口と位置付け、名古屋駅からの来街者を迎え入れ、まちへ波及させるエリアとする。駅前にふさわしい土地の高度利用と都市機能の集積を誘導、国際的・広域的な拠点形成を目指す考え。
三蔵通と名駅南通はウオーカブル空間の形成を通じて沿道の活性化を図る。名駅南通北側(下広井町線よりも北側区間)は、沿道店舗の魅力創出などを通じて歩いて楽しいウオーカブル空間、名駅南通南側(笹島線東側区間)は、名駅南とささしまライブ24を結ぶメインストリートにする。三蔵通は、「起業意欲と感性を刺激する創造軸」と位置付け、先進技術の社会実験実施、クリエイティブチャレンジ開催といった取り組み案を挙げている。
その他、ハード系の取り組み案として、祢宜公園の利活用、名駅通の自転車駐車場の移設、名古屋駅〜ささしまライブ24・名駅南間の地下道整備、笹島線東側区間の整備などを挙げている。
名駅南は、名古屋駅前、柳橋、ささしまライブ24、納屋橋・堀川と隣接したエリア。リニア開業効果を通じて都心の新たな拠点形成が期待されている。まちづくり方針案では、▽にぎわいがあふれるウオーカブルなまちづくり▽官民の投資により再生するまちづくり▽新たな体験を誘発しさまざまな挑戦を支えるクリエイティブなまちづくり▽地域の力で地域を育てるまちづくり―の4つの方針を示している。
提供:建通新聞社