日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/09/12
【埼玉】埼玉労働局・建設業労働災害防止協会埼玉県支部、建設現場の県下一斉合同パトロールを実施
埼玉労働局(久知良俊二局長)と建設業労働災害防止協会埼玉県支部(建災防県支部、島村健支部長)は7日、建設現場の県下一斉合同パトロールを実施した。当日は、各労働基準監督署と建災防各分会と合同で、県内のおよそ70カ所の建設現場パトロールを実施。各現場では施工担当者から施工状況や安全への取り組み状況の説明を受け、現場パトロールでは安全衛生の取り組みを確認するとともに、健康に働ける職場づくりや無事故無災害で竣工を迎えられるよう安全作業を呼びかけた。
この取り組みは、全国労働安全衛生週間準備期間に行う取り組みとして、また、建災防県支部の「一人KY推進運動 埼玉」の一環として実施した。久知良局長と島村支部長は、さいたま市大宮区桜木町で工事が進む大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業施設建築物等新築工事(大宮サクラスクエア)を訪問。同建物はRC造(一部S造)の2棟構成で、A棟は13階建て延床面積3798u、B棟は地下2階地上28階建て延床面積6万7363u。完成工期は来年7月15日。久知良局長は「大宮駅の近くにこれほどの大きな現場ということで多くの皆さまから注目を集めており、埼玉県を代表するような建設工事現場であると思っている。そうした意味でもこちらの現場での安全衛生の取り組みは、埼玉県内の建設業における安全衛生推進をけん引する立場にあると考えている。これを契機に安全衛生活動に一層取り組んでほしい」と期待。続いて、施工者の前田建設工業関東支店の担当者から施工や安全に関する取り組み状況を聞いた。
パトロールは、朝礼会場に集まった516人の作業員(うち外国人は86人)らを前に久知良局長が訓話してから開始。B-1棟は地上PC躯体工事が大詰めを迎えて、来月上棟という状況。各フロアで施工状況や安全への取り組みを確認。大宮西口再開発作業所職長会の宮良剛会長(タミヤホーム)は「安全委員会、火気委員会、警備部会、環境委員会、施設・衛生委員会の各部会毎に役目を決めて各部署毎に方針、企画運営を行っている。毎週1回、各部会で定例のパトロールや活動を行っている」と積極的に行っている職長会の活動状況を説明した。
講評で久知良局長は「安全や衛生で何が一番大事かと言えば、現場で働く一人ひとりにどれほど浸透させるか。そういう意味ではコミュニケーションが大事だが、こちらの現場ではいろいろな場所で周知を行っているほか、職長会でコミュニケーションを意識して行っていたことは非常に良いことだと思う。ま職長会の主体として熱中症のブースを設けたことも良い取り組み」と述べ、コミュニケーションや熱中症対策など職長会の活動を高く評価した。島村支部長は、パトロールへの御礼を述べるとともに、建災防県支部の本年度の新たな取り組みとして行っている「一人KY推進月間 埼玉」について、9月を強化月間として行っているとして、今後も運動の実施を呼びかけた。