高松市は、中央図書館などが入居する「サンクリスタル高松」をリニューアルする。施設は築30年以上が経過し、設備面での傷みが著しい。躯体は健全なためそのまま活用し、既存建物の設備修繕を主体とした改修とする。9月補正予算案にサンクリスタル高松リニューアル事業費1644万円を計上するとともに、2024年度債務負担行為3836万円を設定している。23年度に実施設計者を決定、23〜24年度で実施設計を進め、25年度に休館し改修工事とシステム更新を行い、26年度のリニューアルオープンを目指している。
サンクリスタル高松は1、2階と地下1、2階が中央図書館(約60万冊収蔵。地下は閉架書庫や電気・機械室など)、3階が菊池寛記念館や視聴覚ホール、集会室、4階が歴史資料館で構成している。
規模は、鉄筋コンクリート造地下2階地上4階建て延べ1万1330平方b(図書館8718平方b、菊池寛記念館687平方b、歴史資料館1924平方b)。敷地面積3921平方b。隣接して立体駐車場(60台)、駐輪場(約200台)がある。1992年11月3日に開館した。
施設は老朽化が著しく、小修繕を繰り返すことで機能を維持してきた。設備によっては修理部品の製造が終了し、故障などが起きた場合、修理できない状況にあり、図書館サービスに多大な支障を来す可能性がある。20年度に実施した劣化診断調査等業務で、躯体は健全であるが、維持管理の効率化と長寿命化に向け早期の改善措置の他、竣工以降に関係法令改正により既存不適格となっている部分(防火設備、エレベーター、特定天井、24時間換気)の改修が必要との診断を受けていた。
工事はエレベーター更新や照明LED化、トイレ乾式・洋式化、カーペットなどの取り換え、立体駐車場改修などを計画しているが、具体的な内容は実施設計の中で詰める。
今後の運営方針について、民間活力の導入も検討したが、▽民間側の導入の前提条件として、建物の大規模な構造の変化を伴う改修か建て替えを行った上で、運営までを含めた全てを任せる必要がある▽現在地で設備修繕主体の改修では事業者にメリットが少ない▽市民とのワークショップで直営継続の要望がある▽指定文化財や個人からの寄託品などを所蔵する菊池寛記念館や歴史資料館の運営を民間に委託することは困難―などから民間活力導入は困難と判断、当面の間は市直営を基本とした。
所在地は昭和町1ノ2ノ20。
提供:建通新聞社