整備構想検討会議 新たな上屋や複合施設の整備など 官民の関係者で組織する長崎港元船地区整備構想検討会議(議長・馬場裕子長崎県副知事)の第2回会合が6日に開かれ、施設配置計画と整備イメージについて議論し、方向性を取りまとめた。新たな上屋や複合施設の整備などを計画しており、PFI導入事業に関るする民間事業者への個別サウンディングを経て、12月の第3回会合で整備構想案をまとめたい考えだ。
施設の配置計画案は、▽ターミナル施設の機能充実▽ターミナル駐車場の機能向上▽景観性向上▽歩行者回遊性・アクセス性向上▽交通渋滞の緩和▽休息・緑地空間づくり―を求める利用者アンケートの結果などを踏まえて検討。
具体的には、ターミナル機能の強化として、地区北西側に新岸壁と可動橋、新たな上屋を整備。既存岸壁は、耐震性の検討とともに、対象船形の見直しやリダンダンシーを確保。既存ターミナル施設は、機能の充実・バリアフリー化を進める計画だ。
賑わい創出の観点では、地区北東側の既存上屋跡に港・水辺を活かした交流施設を配置。隣接する地区北東端には、長崎駅への動線にも配慮した緑地交流広場も整備する。既存の大波止ビルは、撤去しておくんち広場≠拡大する。
利便性向上では、道路・駐車場を再編整備して交通渋滞を緩和。既存の立体駐車場一帯は駐車場とにぎわい施設の複合施設を整備。さらに、地区内の各施設を2階通路で接続し、歩行者回遊性を向上する。景観・魅力の向上へは、港の眺望や、船舶への景観、夜景に配慮した照明施設の配置などを考えている。
官民連携事業に向けサウンディング実施 これらの施設の整備・運営・維持管理に当たっては、行政・民間が連携することで、利用者のニーズに柔軟に対応するとともに、地区全体の質を向上させる考え。このため、道路や岸壁を除いた上物(上屋・複合施設など)や広場の整備・管理・運営は、民間活力の導入に向け、事業者から幅広い意見・提案を求め、個別対話を行うサウンディングを実施する。
県では、サウンディングの説明会(PPP/PFI事業の導入検討に向けた全体説明会)を15日に県庁で開催。20日まで個別対話の参加申し込みを受け付け、サウンディングシートの提出 を経て10月17日から19日にかけて個別サウンディングを実施する計画だ。個別対話を通じて、官民連携事業として実効性・実現性ある内容・スキームの構築を検討し、港湾施設や観光交流施設の整備イメージやスケジュールなどを盛り込んだ整備構想案の作成につなげる考えだ。