京都府は8日、府におけるスポーツ施設のあり方懇話会(座長・山本誠三京都府スポーツ協会副会長)を開催。8月の現地調査などを踏まえ、意見交換した。
府のあり方懇では、屋内スポーツ施設(アリーナ)の整備が検討されている京都府立大学下鴨キャンパス・体育館(京都市左京区)と京都向日町競輪場(向日市)を8月25日に現地調査した。
主な意見として「府内スポーツ施設は前回国体時(昭和63年)に整備されたものが多く、現在の国際基準に満たない点も増加してきており、近隣府県との誘致合戦に負けてしまう」「アリーナ整備は地域の活性化に寄与する」「府民、市民が主体的に参加することで新たなまちづくりにつながる」「アリーナを軸にした複合的なスポーツ施設が整備されれば、子育て世代の流入が活性化する」「1万人規模のアリーナを核として、まちが元気になる原動力となる」「アリーナ整備や運営に係る地元の同意、理解も重要」「コンサートやイベント活用等で大きな経済効果が生まれる」「交通課題を解消する整備を並行するなど、周辺環境の検討も必要」など。
整備検討地(府立大学、向日町競輪場)に関する意見としては、「府立大学は学生中心で、アリーナが整備されることに伴い、周辺住民との関係含め、周辺の活性化は難しいのではないか。向日町では競輪場の再整備も含めて敷地全体で考えることができ、全体で地域活性化につながるものを目指せるのではないか」「大学の中に多くの人が集まるスポーツ施設ができると、迷惑施設と認識されるのではないか。向日町競輪場は迷惑施設とされてきた中、周辺住民の理解を得る取組を続けてきて今がある。向日町なら新しい施設を受け入れられる素地ができているのではないか」などがあった。
9月8日の懇話会では、京都府域におけるスポーツ施設の整備状況の報告後、現地調査を踏まえ、委員が意見を述べ、「施設のスペックなどを検討する必要があるが、整備される場所の地域住民らの考え方を十分考慮しないといけない。しっかり説明責任を果たす必要がある」「島津アリーナ京都は国際大会として誘致するには不十分であり、1万人規模の施設が必要。デジタル技術を活用してネットワーク化し、色んな人がスポーツを見ることができるように。府立大学はアリーナという観点では難しいのではないか。向日町競輪場は議論を深めていく価値がある」「京都のスポーツ施設は小規模で老朽化しているものが多い。他都市ではスポーツ施設だけでなく、防災拠点など幅広く活用されている。京都においても整備が進むことを期待する」「コンサートやeスポーツなど多様性に対応していくことが重要。屋内スポーツについては猛暑対策が必要」「府立大は学生の場所であり、難しいのでは。向日町では多機能、複合化が可能」「人の賑わいを作っていく必要があり、稼働率を高める観点も必要。ライブなどのエンターテイメントでの活用など多機能化が重要。周辺施設の賑わいを作るためには複合化が重要になる」「室内アリーナでは多目的に使えるのはメリット。365日使えるのは経済効果が大きい。一方で交通問題があり、交通機関との協力、連携が重要になる」などの意見があった。