トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2023/09/08

【富山】実現したい夢を見続けて/工芸建築科作品展10周年上原富大教授が講演/「自分自身でだめ出しを」

 高岡工芸高等学校建築科同窓会(会長・大野博和大野建築設計事務所所長)は6日、「工芸建築科同窓会・作品展10周年記念事業」の講演会・座談会を、高岡市の同校尚美会館で開催した。
 建築科1〜3年生の36人とデザイン科3年の9人のほか、同窓会メンバーらが出席。冒頭、大野会長が「建築科同窓会は、昭和48年に設立し今年で50年。記念の年であり今回、講演会と座談会を企画した。富山大学の上原先生には夢と明日を演題に講演いただくが、皆さんはいずれ社会に出て、長い人生を歩む。講演を人生の糧にしてもらいたい」とあいさつ。
 来賓を代表し、同校の高久直樹校長が「工業高校で学ぶ皆さんは次世代を担う、ものづくり人材として世の中から大きく期待されている。技術と技能を身に付け、将来の職業選択の際は学んだ専門を生かした職業に就いてほしい。今企画を通じて、建築の仕事に一層興味を持ち、学びに弾みがつくことを期待している」と祝辞を述べた。
 講演会は、上原雄史富山大学芸術文化学部教授が、「夢と明日」をテーマに話した。上原教授は自身の生い立ちを紹介しながら、「子供のころは車、飛行機を造ることに関心があった。建築は設計者と施主の一対一であり、高校2年で建築を志した」と、建築の道に入った経緯を説明。大学時代や建築設計事務所「レム・コールハースOMA」勤務時などのエピソードも語った。
 続いて、自分の夢を実現するための持論を展開し、「現実離れした夢を見続けることが重要。実現したい夢に向け、根性でやるしかない」と述べるとともに、「若い時は自分の夢を実現するための努力、建築家となり、お金をもらって仕事をするようになると、夢を見させてあげる立場になるが、期待に応える能力がなければ続けられない」と説いた。また、「建物の完成時は、厳しかった業務をすべて忘れるほど、すごい感動がある。やってみないと分からないが、辞められなくなる。明日をつくることが建築家」と強調した。
 さらに、「各分野のトップで活躍する人は、自分自身でだめ出しができる。それができない人は人のせいにする。それでは伸びない」と指摘し、「高い目標を立て、教えてもらいながら、毎日トレーニングすることが必要。毎日やり続けることで最終的にだめ出しが減る」と助言。最後に、「私はいつかは国宝を作りたいと思っている。そういう熱い思いが大事。そのために日々勉強している」と結んだ。
 その後、在校生と卒業生との座談会を実施。同窓会活動を続けてほしいとの思いから開いたもので、生徒は4グループに各約10人が入り、OBと進路に関する情報を中心に意見交換。最後に各グループが内容を発表した。座談会のOB出席者は、建築設計事務所が川合光行氏(雲空間設計スタジオ)と岩崎博昭氏(シバタ建築設計事務所)、建設会社が山辺正明氏(塩谷建設)と平尾祐大氏(砺波工業)、ハウスメーカー・工務店が野口和美氏(石友リフォームサービス)、橘泰一氏(フラグシップ)、専門職が舟木聡史氏(舟木工匠)と唐島盛一氏(唐島板金工業所)、井上潤一氏(井上板金工業所)。

hokuriku