市原市は、姉崎袖ケ浦・市原鶴舞の両インターチェンジ(IC)周辺を対象とする産業用地適地選定調査の結果などを踏まえ、優先的に産業用地として開発を検討すべき候補地を選定し、開発手法などを含めた整備の方向性を年度内に固める。2024年度以降は、県の立地企業補助金を活用し、地権者等の土地所有者の状況などの詳細調査を行い、具体的な開発手法や開発スケジュールなどを盛り込んだ整備計画を立てる予定。開発手法については、土地区画整理事業のほか、民間主導での地区計画の設定による立地誘導などを視野に入れている。
産業用地適地選定調査事業は、日本都市技術が24年3月31日までの期間で担当している。
産業用地適地選定調査の結果を受けて着手する詳細調査は、最短で24年6〜7月頃、一般競争入札により委託する想定。詳細調査の結果を踏まえ、庁内で整備計画を決定する予定だ。
小出譲治市長は「近年、本市への進出に関心を持つ企業のニーズが格段に高まってきている。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の全面開通も見据え、好機をさらなる産業誘導につなげるため、広域交通の結節点として立地ポテンシャルの高いIC周辺地域において新たな産業用地の創出に向けた取り組みを積極的に進めている」と話した。
22年度に策定した拠点別整備基本計画・五井編で市原IC北側を「産業ゾーン」と位置付け、土地区画整理事業の事業化に向けた取り組みを進めている。また、同IC西側を「産業保留ゾーン」と位置付け、将来的な需要に応じて産業用地を段階的に創出していくこととしている。
姉崎袖ケ浦・市原鶴舞にの両IC周辺については産業用地適地選定調査を進めており、各種規制や土地所有の状況などを調査・検証し、優先順位を付けて取り組んでいく。
これらを踏まえ、小出市長は「内陸部に位置するIC周辺への産業誘導を進めることは市の重層的な産業構造につながり、新たな雇用機会の創出、地域経済の活性化など、これからの持続的な発展に大きく寄与するものと確信している」と力を込めた。
小林洋一・経済部長は、産業用地適地選定調査事業について「姉崎袖ケ浦・市原鶴舞の両IC周辺を対象に、企業ニーズの把握を行うとともに、土地利用等の状況を調査分析し、適地となる候補地を洗い出し、開発の方向性を見いだすために実施するもの」と説明。
具体的には、企業立地ニーズや立地に際して求める条件などを把握・分析するため、関東圏を中心に約2000社への企業アンケートを10月まで実施。今後は、調査結果を踏まえ、立地意向のある企業を中心にヒアリングを実施する。
合わせて、産業用地の開発実績を有するデベロッパーに対してアンケートおよびヒアリング調査を行い、市における産業用地開発の実現性などを確認する。
これらの調査結果に加え、IC周辺におけるインフラや土地利用規制などの状況を把握し、定量的な評価を行い、優先的に産業用地として開発を検討すべき候補地を抽出し、整備の方向性を固めていく。
4日の第3回定例議会代表質問で、山内一平議員(市民クラブ)の質問に答弁した。