香川県は旧県立体育館を解体するための実施設計について、8月30日に森勝一建築事務所(高松市)と随意契約を結んだ。これまでに指名競争入札を2回実施したものの、2回とも応札者が1者だけで不調となっていた。県は「参加意思があり、確実な業務の履行が見込める専門性(技術、経験)を有する者は、応札のあった2者以外に存在しない」と判断し、見積もり徴収を経て契約を結んだ。納期は2024年3月25日。
解体工事の発注時期は未定だが、業務の中で解体工事にかかる費用の概算を固めて予算を確保しつつ、24年秋に完成予定の県立アリーナへの備品の移設なども視野に入れながら工事時期を見極める。
業務では、建物の解体と機械電気設備、外構の撤去、整地工事と囲い設置の設計を委ね、加えて丹下健三氏が設計したモダニズム建築としての意匠、工法などの文化的価値の記録保存を考慮した解体手順の検討も含める。例えば、特徴的かつ建設当時は先進的であった工法などについて解体工事の期間中に専門家による立ち入り調査や記録ができるような配慮を設計に含める。また、建物の特徴であるつり構造の建物の解体に伴う安全確保もポイントとなる。
解体後の跡地利用方針は未定。
旧県立体育館の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ4707平方b。高さは21・4b。1964年7月に完成した。所在地は高松市福岡町2ノ18。敷地面積は6631平方b。
実施設計の契約金額は4455万円、予定価格は4523万2000円(ともに税込み)。
提供:建通新聞社