半導体関連産業の集積促進に伴う社会資本整備で熊本県は8月21日、首相官邸、経済産業省、財務省、国土交通省に財政支援を求める緊急要望を実施した。道路、空港アクセス鉄道、下水処理場、新規工業用水―の整備に、総額1140億円程度の事業費を見込んでおり、半導体の安定供給確保に向けた国家プロジェクトの一環として必要な財源を確保するよう求めている。
セミコンテクノパーク周辺の道路整備は、大津植木線多車線化や合志インターアクセス道路、国道387号整備、合志インターと大津西インター間の新たなインターチェンジ・連絡道路、主要交差点立体化、菊陽空港線延伸などを計画。渋滞解消に向けた抜本的対策を概ね10年以内に集中整備する必要があるとして、2032年度までの事業費を約300億円と試算した。33年度から42年度までの10年間も事業費120億円を見込み、周辺道路整備の全体事業費は420億円となる。
JR肥後大津駅と空港を結ぶ約6・8`のアクセス鉄道は、27年度着工、34年度末開業の整備目標を掲げており、今年度は環境影響評価や構想段階評価に向けた業務、UAV測量、地質調査などを委託している。概算事業費は410億円。
下水処理場は、工場排水の増加が見込まれ既存処理場の能力不足が懸念されることから、新たな処理場整備が必要となっているもの。特定公共下水道事業での新規採択と財政措置を要望している。同事業での財源内訳は、国負担123億円、地方等負担157億円の計280億円。
工業用水は、有明工業用水道の未利用水を活用した工業用水供給の事業化を計画。新浄水場整備概略設計業務を日水コンに委託し、必要な施設・管路の概略検討や、各施設の諸元作成を進めている。浄水場と浄水場・既設パイプライン等を結ぶ管路等を整備し、概算事業費は150億円を見込んでいる。
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