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秋田建設工業新聞社
2023/08/29

【秋田】高潮浸水想定区域図の作成/10月めどに方針検討業務を公告

 県河川砂防課は、国の社会資本整備重点計画の指標に基づき、高潮による浸水の範囲や水深などを示す「高潮浸水想定区域図」を作成するため、今年度は方針検討業務を10月上旬頃に公告する。県内全域の海岸を対象とし、来年度は学識経験者やコンサルタントで構成する委員会を設置して検討する予定。方針検討業務では、そのためのデータ収集や他県の事例を踏まえた検討方針をまとめる。

 平成27年の水防法改正により、高潮により相当な被害が発生する恐れがあると指定された海岸について、「想定し得る最大規模の高潮による氾濫が発生した場合に浸水が想定される区域」を、高潮浸水想定区域として指定する制度が創設された。

 国土交通省と農林水産省は近年の台風・低気圧や全国の高潮水防の取り組み状況を踏まえ、共同で高潮に対する備えを強化するため、「高潮浸水想定区域図作成の手引き」を作成し、随時改定している。

 高潮に対する備えの強化に向けては、全国的に高潮浸水想定区域の指定・公表などを促進し、高潮や高波による浸水リスク情報の空白地をなくしたい考え。高波による浸水被害の発生状況を踏まえ、浸水想定シミュレーションにおける高波の設定方法も充実させ、台風などに伴う潮位上昇による災害だけでなく、高波による災害への備えも強化する。

 高潮による浸水が発生した場合に家屋が倒壊するなどの恐れがあるため、区域図では暴風域に入る前に確実に立ち退き避難が必要な区域を明確化し、避難の実効性を高める。

 区域図の作成について国土交通省の社会資本整備重点計画では、高潮想定区域を指定している都道府県数を、7年度までに39都道府県(令和2年度は5)に引き上げる指標が示されている。秋田県もこれに合わせる形で、作成に向けた検討を本格化させる。

 県によると、港湾海岸や漁港海岸なども含め、県内全域(◇八森 ◇能代 ◇男鹿 ◇秋田・船川港 ◇新屋・下浜 ◇由利 ◇鳥海―の各地域海岸)を対象に区域図の作成を進める予定。


提供:秋田建設工業新聞社