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建通新聞社(中部)
2023/08/29

【愛知】中部空港2本目滑走路 概算要求に1億円余

 国土交通省は2024年度予算の概算要求を発表、この中で中部国際空港の2本目滑走路増設に向けた新規事業費に1億円を要求していく方針だ。この他、財政投融資要求でも一部で2本目滑走路に関する事業費が含まれるとしている。東海3県・名古屋市・経済界で一致協力して求めていた2本目滑走路は、事業実施に向けて大きな一歩を踏み出した。
 中部国際空港に関する国交省の24年度要求額は全体で7億円。このうち、空港整備勘定からの無利子貸付1億円が、2本目滑走路(B滑走路および灯火設置(増設))の事業費に当たる。また、財政投融資要求額235億円のうち、ごく一部も2本目滑走路に向けた事業に充てるとする。
 中部国際空港のB滑走路は、現滑走路(延長3500b、幅60b)の東側、210b離れた地点に、ターミナルとの間にある既設の誘導路のうちの1線を、延長3290b、幅45bの滑走路として再整備する計画。
 国交省では、2本目滑走路に関わる事業について新規事業化候補箇所に選定、8月1日に交通政策審議会航空分科会事業評価小委員会に諮り、新規事業採択時評価は「妥当」との結論を得ている。新規事業採択自体は、政府予算案と国会審議を経た後の23年度末ごろとなる見通し。
 中部国際空港(常滑市)は、環境影響評価手続きで方法書の手続きまでを終え、現在、環境影響評価を実施中だ。同社は24年度にこの他、第1ターミナルの改修や航空灯火LED化事業などを引き続き進める計画。
 「中部国際空港将来構想推進調整会議」(会長=大村秀章愛知県知事)の将来構想によると、東側に滑走路を整備後、現滑走路の大規模修繕を行う。旅客需要が低下する冬季に工事を集中し、2カ年度程度で完了、修繕後に新旧の2本滑走路として運営する。さらに将来は、常滑市セントレア地先の中部空港の西側と南東側で、国が行う公有水面約294万平方bの埋め立て事業地のうち、西工区に新滑走路(延長は3500b)を建設する構想をまとめている。


提供:建通新聞社