京都府は、京都フードテック基本構想に掲げる拠点整備の一つとして、宇治市伊勢田町の京都府南部総合地方卸売市場(南部市場)の関連棟を一部改修し、「中食」の開発拠点を整備する。
京都フードテック基本構想で示す研究開発に関する3拠点の一つとして整備する。同構想では、機能性加工食品等付加価値の高い中食の開発拠点の整備を盛り込み、南部市場に農林水産技術センターの食品加工研究部門として、食に関わる産学公民のオープンイノベーションにより、京野菜や京都の食文化を活かした冷凍高機能性食品などの商品(中食)を開発・分析・評価ブラッシュアップする研究開発拠点(京都プレミアム中食オープンイノベーションラボ)を計画する。
協同して商品開発に取り組む企業等や府民の協力を得て実施する健康効果の実証実験等の研究成果など、研究拠点が蓄積したデータを共有し、新たなイノベーションを創発するエビデンス(科学的根拠)を獲得するとともに、研究レビューを整備。共同研究にあたっては、企業等が安心して研究に参画できる知的財産権に配慮した仕組を構築する。
再整備のコンセプトは、「産・学・公・民が交流し、未来の『中食』を科学するOpenInnovationLab」。産・学・公が連携してデータを活用。健康に良い「中食」を研究・開発する。
南部市場(宇治市伊勢田町西遊田90−1)の関連棟(S造平屋建、3120・0u)の一部を改修する計画。所有者は葛椏s総合食品センターで、府がその一部を賃借し整備する。
整備面積は関連棟の約41%にあたる約1300u。
主な機能は、@オープンキッチン(調理・試食・評価の場、地域住民にも開放)Aコワーキングラボ(共同研究室)Bコワーキングキッチン(共同食品加工室)Cコワーキングカフェ(異業種交流・産学公連携促進スペース)。このほかに独立研究室(2室)、会議室、倉庫、テナントを予定。
府は24日、南部市場オープンイノベーションラボ整備基本計画策定業務を指名競争入札で通知。9月4日に開札し、担当業者を決める。履行期限は令和6年3月22日まで。
南部市場の再整備に係る検討会における検討結果及び令和5年度実施の関係団体とのワーキングでの議論等を踏まえ、オープンイノベーションラボ整備に関する基本計画を策定する。改修計画のほか、整備手法の検討などを行う。
基本計画をまとめた後、令和6年度に基本設計・実施設計を行い、7年度に施工(工事)を予定。
中食ラボを巡っては、令和6年度国の施策・予算への政策提案において、京都府は、デジタル田園都市国家構想交付金により整備・運営を複数年にわたってパッケージで支援することなどを農林水産省などに求めた。