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日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/08/23

【埼玉】埼玉県造園業協会 ハチ対策安全研修会を開催

 埼玉県造園業協会(渡邉進会長)は18日、ハチ対策安全研修会をさいたま市内の建産連研修センターで開催した。講師は、獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科の平田博国准教授が務め、ハチ刺され時の対策などを説明した。
 当日は、埼玉県県土整備部や都市整備部から20人、協会から40人の計60人が参加した。あいさつで渡邉会長は「6月16日に埼玉県発注の中川河川敷における草刈り作業中に、当協会会員の作業員がスズメバチに刺され死亡する痛ましい災害が発生した。当協会としては再発を防止したい強い想いから、本日の研修開催に至った」と開催経緯を報告。続けて「講師を務める平田准教授はハチ刺されなどに関する研究の第一人者で、深い見識を持っている。皆さまには講義を聞いて、今後に生かしてほしい」と有意義な研修になるよう期待した。
 平田准教授は「ハチに刺されて死亡する痛ましい事故を、少しでも減らしていかなければならないという気持ちで普段仕事や啓蒙を行っている。皆さまには、ハチに刺された時の対策を今後に生かしてほしい」と呼び掛けて講義に入った。講義では、ハチの被害は夏から秋にかけて多く、ハチ刺されによる患者数は8月がピークとなること。アシナガバチ・スズメバチのハチ毒アレルギー患者の職種を見ると、建設業が10・1%、造園業が5・3%を占めること。またハチ刺されの回数とアナフィラキシーの関係では、アレルギー反応の多くは2回目以降にハチ毒が体内に入った時に全身症状が引き起こされるが、初めてのハチ刺されでも多量のハチ毒が同時に体内に入った場合にはアレルギーの症状を起こすことがあると報告した。そのうえで、ハチ毒によるアナフィラキシーショックへの予防や出現時には、エピペンの自己注射が重要だと説明した。