名古屋市緑政土木局は、東山動植物園の再生で、次期事業計画の検討に着手する。本年度は事業方針を決め、2024年度内に事業計画を取りまとめる見通しだ。
東山動植物園の再生は、全体6期間(先行期〜第5期、07〜36年度)に分けて進めている。現計画(第3期事業計画)は20〜24年度で、アジアの熱帯雨林エリアではトラ・オランウータン舎の整備を進め、今年7月14日にオープンさせた。新ジャガー舎は今年10月のオープン予定だ。お花畑(花と緑のふれあいゾーン)はリニューアル工事中で、本年度内のリニューアルオープンを目指している。また、動物病院改築も現計画内で実施済み。
次期第4期事業計画の事業計画取りまとめに当たっては、来園者アンケートをはじめとする利用者・市民の意見や、有識者ヒアリングなどを踏まえて、年間目標来園者数350万人達成に向けた、展示施設・サービス施設(園路、広場、休養施設、便益施設)といったハード事業、来園者の利便性・快適性を向上させるソフト事業の事業内容を考え、本年度内に事業方針・第4期事業計画原案をまとめる。
第3期計画のトラ・オランウータン舎、ジャガー舎、お花畑以外のハード事業の状況を見ると、アジアの高地エリア(ユキヒョウ・マヌルネコ舎整備)は、本年度に整備工事に本格着手した。獣舎整備は24年度以降が見込まれ、26年度ごろの整備完了を目指している。
第4期計画期間内(25〜29年度)で工事が本格化すると見込まれるのは、アフリカサバンナエリアと温室後館の2エリアだろう。アフリカサバンナエリアは、22年度に基本計画を策定。サバンナに暮らす動物は、ライオン、キリン、シマウマ、カバなどで、ホオジロカンムリヅル・ダルマワシなどの鳥類がいる。
温室後館は、21年にリニューアルオープンした温室前館の背後部に位置。第3期事業計画では、前館と一体となって、保有コレクションの活用と展示を充実させ、植物を通した環境教育やくつろぎの場として、後館と周辺エリアを整備すると位置付けている。22年度までに基本計画・測量が実施されていて、今後の検討の進展が期待される。
その他、正門エントランスゾーン再整備や園内移動施設の検討を次期計画でどう位置付けるかも注目すべき点だ。また、民間活力導入に対して次の一手≠ェ入ってもいい。園内の民間営業施設は、11年度と13年度に導入されてから約10年が経過。新型コロナがあったこともあり、今回事業計画期間では具体化が難しかったとみられるが、今後は来園者増加につながる民間事業者との連携も重要だ。
提供:建通新聞社