横浜市環境創造局は、南部汚泥資源化センターの分離液処理施設の設備更新を検討している。4系列ある処理フローのうち1系列を更新するに当たり稼働を停止した場合に、残る3系列で処理能力を確保できるか検証する。基本検討業務(その4)を日水コン横浜事務所(横浜市中区)に委託した。履行期限は2024年9月30日。
南部汚泥資源化センターは、▽中部▽南部▽西部▽栄第一▽栄第二▽金沢―の六つの水再生センターなどで発生する汚泥の集約処理を行う施設。汚泥処理の過程で発生する分離液は、高濃度の窒素、リンを含むため、分離液処理施設で処理した上で、水再生センターに返流。一般下水と混合して再度処理をした後に放流する。
分離液処理施設は、最初沈殿池と反応タンク、最終沈殿池で構成する。処理方式は修正bardenpho(バーデンフォ)法を採用。嫌気・無酸素・好気法(A2O)の後段に第2無酸素槽と第2好気槽を付加した方式で、一般下水よりも処理時間をかけて微生物と反応させ、窒素などの濃度を下げる。
更新する設備は、反応タンク内にある攪拌(かくはん)機や散気装置など。
過年度の検討では設備更新で1系列の稼働を停止しても、理論上は処理能力に不足はないとの見通しを立てている。本年度は実機を用いて、実際に処理が可能か、また処理に必要な効率的な運転方法を検証する。
検証を経て、3系列で処理可能であると判断すれば、25年度にも設備更新に向けた設計を委託する計画だ。1系列ごとに稼働を停止し、4系列全てで設備を順次更新する。
3系列での処理が難しいと判断した場合は、隣接する金沢水再生センターを処理フローに含め、分離液の処理が可能となる運転方法を改めて検証する。
所在地は横浜市金沢区幸浦1ノ9。
なお、現在3系列で処理している北部汚泥資源化センターでも設備の更新に向けた検討を進めている。北部では現行の処理フローでは設備更新が難しいことから、新たな系列(反応タンク、最終沈殿池)を増設する計画だ。
提供:建通新聞社