志布志港の長期構想検討に向けた第1回委員会が23日、志布志市役所で開催された。現状分析・課題の整理が行われ、コンテナ対応岸壁の整備やヤードとシャーシプールの面積不足、クルーズ船需要の対応等を挙げた。2023年度末開催予定の第2回では取り組み方針と具体施策、ゾーニングをまとめた原案を示したいとしている。
現計画は1993年に改訂。2001年と12年に軽易な変更を行い、17年と21年に一部変更し新若浜地区で耐震強化岸壁やふ頭用地造成、浚渫等を実施している。
取り巻く環境の変化は、東九州自動車道や都城志布志道路等の整備によりアクセス向上、取り扱い貨物は想定していなかった原木の輸出が13年連続日本一となっている。
主な課題を地区ごとにみると、本港地区・外港地区では原木輸出需要増大による船舶大型化への対応およびヤード面積の不足、冷蔵・冷凍電源設備の不足、泊地の埋没による航行制限がある。
また、水深7.5mの岸壁では大型船舶の寄港が困難な状況のほか、長周期波の影響により接岸が困難となっている。
若浜地区・新若浜地区では今後需要が期待される農林水産物・食品輸出に対応するためのコンテナ対応岸壁の整備、クルーズ船需要への対応、観光客向け景観整備の不足等がある。
委員からは「ヤードとシャーシプールが不足している」「若浜運動公園は利用率が低いため、用途変更を」「安全のため市民と港湾利用者との動線の確保を」−などの意見があった。
今後、課題解決に向けおおむね20〜30年先(2050年代)を見据えた港湾空間の形成とその在り方についてまとめた長期構想をまず策定し、おおむね10〜15年先(30年代)を目標年次とした港湾計画の見直しを行う。