日本工業経済新聞社(群馬)
2023/08/21
【群馬】前橋市が水質浄化センターで23年度にPPP/PFI導入の可否決定
前橋市は更新を計画している水質浄化センター(六供町1331)について、PPPを導入することを明らかにした。対象となるのは1期目と定めた新1系水処理施設や新管理棟などで、設計から建設、維持管理までを事業範囲とするDBM方式を採用。設計・建設期間は25年度から37年度までの13年間を想定。24年度に募集要項を公表、25年度に優先交渉権者を決定、事業者との契約締結を目指して準備を進めていく。
施設更新についてはこれまで、19年度に基本構想を策定。21年度には基本設計をまとめており、PPP/PFIの導入可能性調査をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が実施している。
事業は全体で3期に分けて実施を予定している。現在の3系列から2系列に変更する。現段階での計画水量は新しい1系が1日あたり3万5400立方m、2系が1万7500立方mを想定。2系の水量については整備を開始するのが当分先となることから、その時点での社会状況などをみて改めて判断する方針となっている。
PPPの導入はこれまで進めてきた導入可能性調査のほか、民間事業者へのアンケートやサウンディング調査などを踏まえて検討を行い、従来方式より優位と判断したことから決定。事業方式は設計と施工、維持管理を行うDBM方式とし、25年度から37年度までの13年間で施設を整備。その後の20年間が維持管理の期間となる。運営については既存施設を含めて行うこととなるため今回の事業の範囲からはずし、別事業として包括的民間委託などを検討していくとしている。
1期目で整備の対象となっているのは◇新1系水処理施設◇新管理棟◇3系電気室◇し尿浄化槽汚泥受入施設◇沈砂池ポンプ−。建設予定地は、解体を予定している六供温水プールの敷地を含め、既存の管理事務所やし尿汚泥処理施設がある敷地の北側となる。更新は施設を稼働させながらとなるため、既存施設を解体・更新しながら順次施設を建設していくこととなる。2期目と3期目へのPPP/PFI導入については、各期の事業年度が近づいた際にそれぞれ改めて検討を行う。
今後の予定としては、本年度はこれから実施方針などの作成に当たってのアドバイザリー業務を委託。24年度は建設予定地に含まれる六供温水プールの解体を予定。同施設は六供コミュニティクラブと合わせてRC造3階建て、延べ床面積4243u規模。現在は解体設計をアーキズムあすか設計(前橋市)が進めているところ。
また同年度に、PPP事業の実施方針・要求水準書(案)、募集要項などを公表し、25年度に提案書類の審査、優先交渉権者の選定、事業者と契約を締結。施設の設計・施工に移るのは25年度からとなる。
2期目以降のスケジュールについては、基本設計の段階で2期目は38〜42年度に汚泥濃縮槽や汚泥処理棟などを整備。3期目は43〜49年度で新2系水処理施設などを整備するという流れ。