16年試算で概算事業費約80億 PIレポート案 第2回九州佐賀国際空港PI推進協議会が8日、佐賀市川副町の佐賀空港であり、滑走路延長計画に関する施設計画段階のパブリック・インボルブメント(PI)のレポート案などについて協議した。レポート案の滑走路延長計画によると、滑走路を東側に500b延長するケースを優位としており、2016年に試算した概算事業費は約80億円を見込む。PIや環境影響評価などの手続き、設計、工事を行い、早ければ10年後の供用開始を想定している。
佐賀県は、佐賀空港の目指すべき将来像を「基幹路線である東京便を中心としながら、LCCの拠点空港化を図り、九州におけるゲートウェイ空港としての地位を確立する」と定め、これまでに旅客ターミナルビルの増改築、駐機スポットの増設、旅客用駐車場の拡張などを実施。今後は新規路線誘致のターゲットとなる東南アジア諸国との直行便を結ぶため、2000b滑走路を2500bに延長する検討を進めている。
レポート案の滑走路延長計画では、滑走路の延長について複数案を検討する必要があるため、▽滑走路の東側に500b延長する案(東側延長案)▽滑走路の西側に100b、東側に400b延長する案(両側延長案)―の2案を比較。事業費が少ない東側延長案を優位とし、同案で検討を進める。
東側延長案の空港整備では、排水施設や道路(場周、保安、点検)、場周柵、貯水槽、航空灯火の整備、航空保安無線施設(グライドスロープ)や気象施設の移設などを計画。用地買収、滑走路などの地盤改良、土木、排水溝、舗装、航空灯火整備、無線施設移設などの概算事業費として約80億円(16年試算)を見込んでいる。
概算事業費については、現在の労務単価や建築資材価格などを踏まえ、東側延長案、両側延長案でそれぞれ事業費を試算しており、10月までに算定できる見通し。滑走路延長により得られる便益と事業費の比較も行う。
事業期間については、PIに約1年、今年4月から着手した環境影響評価に約3年を見込み、国の新規事業採択時評価を経て、設計で約1年、工事で約5年かかる見通しで、早ければ10年後に供用を開始する予定。
この日の会議では、PI実施計画書案についても協議し、計画書の内容をなるべく分かりやすく表現することなどを確認した。