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日刊建設タイムズ社
2023/08/14

【千葉】3階1.9万uで計画/新図書館・文書館の概要/実施設計は日本設計と特命随契/県

 県は10日、「新県立図書館・県文書館複合施設建築工事」の基本設計概要を明らかにした。建物はRC造一部S造(ラーメン構造、免震構造)、地上3階・塔屋1階建て、延べ床面積1万9000u程度、直接基礎の計画。実施設計については、9月定例議会に上程する補正予算において委託料を増額した後、基本設計受託者の日本設計と特命随意契約を締結し、2024年度末までに取りまとめる予定。25年度に工事の入札手続きなどを行い、着工。29年度の開館を目指す。なお、22年度当初予算では、実施設計業務委託に限度額5億8000万円の債務負担行為を設定した。
 基本理念の「文化情報資源の集積と活用を通じて、知の創造と循環を生み出し、光り輝く千葉県の実現に貢献する」の具現化に向け、県の新たな知の拠点にふさわしい施設を整備する。
 建設地は、千葉市中央区青葉町にある青葉の森公園内の約1・85ha。
 公園内の園路を主な動線とし、前面道路の都市計画道路本町星久喜町線からの車両の出入りを想定。敷地西側に駐車場を配置しつつ、道路から公園に続く歩行者・自転車の動線も計画する。
 建物は、公園への眺望を考慮し、里の森側に配置。景観などに配慮し、低層で屋根型を持つ形態とする。エントランスは、駐車場や公園内からアクセスしやすい南西側に設ける。
 平面計画として▽1階=公園と一体化したエントランスを起点に配置された研修室や展示室等と、乳幼児連れや障害のある利用者などが利用しやすいアクセスの良い空間▽2階=一般資料ゾーン、千葉県資料ゾーン、公文書・古文書ゾーンを配置し、知識の集積と新たな知を創造するメインフロア▽3階=南側に広がる四季折々の公園の景観を享受できる多様な閲覧スペースと保存に特化した北側エリア――を設定。
 利用エリアと業務・保存エリアを明確に区分する。
 約270万冊を保存できる収蔵能力を確保するとともに、自動化書庫などを設置し、効率的な管理を実施。
 エレベーターなどを設置し、上下階の移動に配慮。さらに、バリアフリートイレ、授乳室、子どもトイレなどを設け、安全で安心な利用しやすい施設を実現する。
 個人からグループ利用、閲覧からレファレンスまで多様な場の閲覧スペースを設けるほか、県民が図書館や文書館の資料を活用して調査研究活動を行い、成果を発表することができるプレゼン・セミナースペースを設置する。
 建物本体の高断熱化や庇による日射負荷低減、環境負荷に配慮した電気・機械設備などの導入により、ライフサイクルコストの低減を図り、ZEB Ready相当の施設とする。
 耐震安全性の分類におけるU類同等以上の耐震性能と、100年に1度発生する強風に対する建築物の安全性を確保。建物の計画供用期間として80年を想定し、経年や環境条件に拠る影響に対し、十分な耐久性を確保できるものとする。供用期間の中で、使われ方、需要の変化が生じることが想定されるため、容易に改修が可能なシンプルで汎用性の高い施設とする。
 照明設備は、昼光利用を行い、照明エネルギーを削減し、閲覧席は手元と空間全体の明るさを確保しながら省エネルギーを図る。非常用発電機を設け、非常時に連続24時間程度の電源供給が行える施設とする。太陽光発電パネルを設置し、再生可能エネルギー利用を行う。利用者用に急速充電器を敷地内駐車場に設置し、充電用電力を安全かつ安定的に供給可能な施設を目指す。
 50年カーボンニュートラルを考慮して省エネ、省CO2を実現可能な熱源システムとする。また、図書館・文書館の機能維持に必要な温湿度、空気質を適切に管理できる空調システムとする。給排水設備に関しては節水型の器具を利用し、水資源の有効利用を図る。給水方式は受水槽加圧給水方式として、屋内配置する。k_times_comをフォローしましょう
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