日蓮宗本山妙成寺(羽咋市滝谷町)は13日までに、屋根の一部が崩落した国重要文化財(重文)である五重塔の修理工事について、5社による入札を行い、3830万円で応札した田中社寺(岐阜市)を落札者に決定した。契約額は4213万円。
この他の応札業者は、谷上社寺工業、村上社寺工芸社、児島工務店、宮川屋根工業。
五重塔では、5層目の屋根部分に1メートル四方にわたって穴が空いているのが確認されたため、風雨や積雪により塔内部の柱などの劣化が進まないよう修復する。国と石川県、羽咋市の補助を受ける。工期は年度末としているが、年内の外部工事完了を目指す。設計・監理は文化財建造物保存技術協会(東京)が担当。
北陸唯一となる同寺の五重塔は江戸初期に建立され、高さは34・18メートル。屋根は五重塔としては珍しい薄い板を張り付けた「栩葺(とちぶき)」となっている。
国宝指定を目指す同寺には、五重塔を含め重文が10棟、県指定文化財が3棟、市文化財が1棟ある。