日本工業経済新聞社(群馬)
2023/08/09
【群馬】県企業局発電課 土木工事を第3四半期予定
県企業局発電課が計画している白沢発電所(沼田市白沢町尾合892)の大規模リニューアルについて、発電所基礎改良や水圧管アンカーブロック・小支台改修、地上階スラブ補強、既設発電所建屋撤去、既設屋外クレーン撤去などの工事を予定している。一括して土木工事とし、第3四半期に一般競争入札で公告。工種は土木一式となる。工期は36カ月を予定している。設計は北電技術コンサルタント(富山県富山市)がまとめた。
発電所基礎改良は、水車発電機の更新に伴い水車などのコンクリート基礎を取り壊して立て直すために行うもの。基礎部分を改良する方針となるものの、手法などは調整中としている。
発電所の地上部分にある建屋は、水車や発電機など発電設備がある地下部分の上にRC造平屋で機械室などが整備されている。床面積は357u。土木工事で床の補強や建屋の撤去なども実施する。
水圧管アンカーブロック・小支台改修は、水圧鉄管を固定しているアンカーブロックなどのコンクリート構造物を取り壊して作り直すといった内容となる。既存のアンカーブロックは4基。更新後の基数は不明としている。
このほか、23年度は水圧鉄管や片品川取水口ゲートなどの更新工事を計画。水圧鉄管は9月22日の開札予定で公告済み。取水ゲートは秋ごろに公告したい考え。
同発電所は1964年に完成。発電形式はダム水路式で、薗原ダムの水を利用して発電している。発電機は3相交流同期、水車が縦軸フランシス型で最大出力は2万6600kW。年間可能発電電力量は9166万8000mWhとなる。また、管路関係は導水路が2787m、導水路トンネルが1508m、導水路から発電所までの水圧鉄管が495m、放水路は2009mとしている。
リニューアル工事は固定価格買取制度(FIT)を適用して売電することで収益の増加を図るとともに、施設の長寿命化に向けて行うもの。対象は水車発電機など機械設備関連全般から、取水設備、導水路、放水路など土木設備まで全般となる。機械設備類は更新、土木設備などは改修を予定しており、機械設備更新後の能力については現状と同様程度を想定している。なお、実施設計の発注年度である20年度を事業開始とし、事業完了の27年度までに総事業費約146億円を見込んでいる。