川崎市は、川崎市民プラザの耐震対策に向けた基本計画を策定する。2021年度から22年度にかけて実施した耐震診断を踏まえ対策が求められる市有12施設のうち、敷地形状などの施工条件や施設運営への影響を検討する必要がある同施設で、工事の実現性を整理する。計画策定に向けた検討を行う事業者を募集する公募型プロポーザルを公告した。履行期限は25年3月31日まで。
参加意向申出書を8月21日まで、企画提案書を9月13日まで受け付ける。9月15日にプロポーザル評価委員会を開催し、9月下旬以降に審査結果を通知する。
23・24年度の市業務委託有資格者名簿で業種「建設コンサル」に登録されており、過去10年以内に公共建築物の耐震診断か耐震補強設計・工事の元請け実績があることが条件となる。
川崎市民プラザは地下1階地上3階建て延べ1万2775平方b。宿泊棟と大ホール棟、体育館棟は地震に対する耐震性能を表すIs値が12施設のうち最も低いランクAに当たる。この他、渡り廊下棟(宿泊棟側・体育館側)やクラブ・レストラン棟でも対策が必要と判断している。
一方で市民プラザでは敷地の状況から工事車両の進入が難しく、耐震補強が必要な箇所の付近に設置されている受水槽などの大型設備が補強工事に支障を与える可能性がある。利用者用通路や設備配管が複数の棟にまたがっているため、補強工事に伴い広範囲にわたる運営の休止も想定される。
この他、開館から40年以上が経過し老朽化が進んでいることから、今後の方向性も検討する必要がある。
業務では施設の老朽化に関する現状や課題を整理。市民プラザに必要な機能の集約や廃止、これに伴い発生する空きスペースの活用や施設の多目的化・複合化の可能性を検討し、耐震補強工事への影響について整理する。
さらに複数の耐震補強方法を比較検討し、補強工事の範囲や部位、付随工事の有無、施設利用への影響や休館の必要性、整備スケジュール、概算費用などの観点を踏まえ適切な工法を提案する。
所在地は高津区新作1ノ19ノ1。
提供:建通新聞社