京都府は3日、府におけるスポーツ施設のあり方懇話会(座長・山本誠三京都府スポーツ協会副会長)の初会合を開催した。
府のあり方懇は、平成22年度に設置。平成25年度に新球技場(サッカースタジアム)や府立体育館リニューアル等の意見聴取を実施、平成28年度には通年型アイスアリーナ場の整備について意見を聴いた。今回は屋内スポーツ施設の整備について意見聴取する。
府内における過去10年間の国際大会の開催状況(屋内スポーツ)は、平成25年、26年、26・27年、28年の計4回にとどまる。近隣地域ではアリーナの新設が進んできていることから、今後の大会誘致が一層困難になるおそれがあるとし、府としては積極的な誘致を図りたい考え。
新設する屋内スポーツ施設に求めるスペック案については、スポーツ大会開催のための要件として、▽競技面(コート)…バスケットボール及びバレーボールコート3面分(他スポーツでの公式試合等にも対応できる大きさを想定)▽観客席…5000席以上(バレーボールの世界選手権予選の開催が可能。バレーボール、バスケットボール、卓球の日本リーグの試合開催が可能)▽その他諸室…(運営関係者等が必要とする用途に対応し、機能的で使いやすい部屋数、面積が必要)を示した。
このほかスポーツ利用の他に想定される機能として、▽避難所等の防災機能の付加▽展示場機能等MICEでの活用▽コンサート等文化イベントでの活用を挙げた。
現在、京都府立体育館(島津アイスアリーナ)(京都市北区大将軍鷹司町)があり、府内で屋内スポーツ施設の整備が検討されているのは、府立大学の下鴨キャンパス(京都市左京区下鴨半木町1ー5)、向日町競輪場(向日市寺戸町西ノ段5)。
それぞれの検討状況をみると、府立大学の共同体育館整備は、整備に係る意見聴取会議において「大学の体育館としては、既存の第2体育館を残しながら、第1体育館のコート面をバスケ2面から3面に拡張する規模で十分ではないか」「府内で体育館が足りない問題は北山だけで解決する問題でなく、府全体で解決すべき」等の意見があった。
向日町競輪場については、令和4年7月から競輪事業外部有識者会議で議論を実施。令和5年2月に競輪事業の今後のあり方に関する基本的な考え方をとりまとめ、「現在の包括民間委託の終了後の令和7年度以降も競輪事業を継続。競輪開催の場としての機能だけでなく、レジャーや憩いの場、スポーツ活動・防災の拠点などの多目的・複合的な機能を併せ持った地域の交流・賑わいの拠点となる施設へ転換する」とした。
令和5年5月の外部有識者会議では、施設・機能の集約化に伴い生じる敷地内の余剰スペースに、集客の見込める屋内スポーツ施設整備の提案が複数の委員からあった。
今回の懇話会で委員からは「ハード面でも屋内スポーツ施設の数が少なく、老朽化もしている。アリーナは学生にとっても夢があり、地域の活性化にも寄与するのではないか」「アリーナが新設されると、スポーツだけでなく、コンサートなど他のイベントにも使え、経済効果がある」「スポーツの目的だけでなく、防災など他の目的でも使えるようにすべき」「京都府で全国的な大会ができるよう広さのある施設にしてほしい」「憧れのスター選手のプレイを子どもたちが間近で見られるよう、国際大会が開催できる基準のものを作ってほしい。音楽コンサートなどもできるようにしてほしい」などの意見が出た。