高知県土木部は、四万十市を流れる岩田川について、後川との合流地点から上流へ1・35`にわたる堤防嵩上げを盛り込んだ「渡川水系岩田川河川整備計画(案)」を新たにまとめた。今後は、関係住民からの意見募集や国土交通省への同意申請、その後の省庁間協議などを経て、2023年度内の計画策定を目指す。期間は約30年間としている。
岩田川流域を含む県西南部は台風の進路上になることが多く、これまでにも大規模な被害を受けてきた。今回の河川整備計画案では、過去に被害が大きかった16年9月の台風と同程度の洪水が起きた際にも氾濫による浸水被害を防止し、安全に流下させることを目標に河川改修を実施する。
後川と合流する四万十市岩田から上流へ1・35`の区間を対象に、両岸で堤防の嵩上げを行う。計画堤防高は標高12b。現状、左岸側はおおむね11b、右岸側は高低差があり、低い箇所では標高6b程度となっている。
河川整備後に残る後背地については、宅地化の進行に伴い内水氾濫の被害が懸念されることから、四万十市と連携した土地利用規制などの必要な対策を実施する考えだ。
7月に開いた高知県河川委員会では、学識経験者らからの意見に対して回答。詳細設計、用地取得などを経て着工は早くても28年度以降となることや、後川とも整備レベルが均衡しており計画規模は妥当であること、四万十川流域治水プロジェクトとの関連、計画立案には地元住民の要望が強かったことなどを説明した。
提供:建通新聞社