建通新聞社
2023/08/03
【大阪】近畿地整事業評価監視委員会 大野油坂道路など事業継続が妥当
国土交通省近畿地方整備局は、2023年度第1回事業評価監視委員会を開き、国道158号大野油坂道路事業の3区間と足羽川ダム建設事業の再評価について審議、いずれも事業継続を妥当とした。大野油坂道路は総事業費を約390億円増額。足羽川ダム建設事業は約1200億円増額した。
大野油坂道路事業では、大野・大野東区間(道路延長5・5`)、大野東・和泉区間(同14・0`)、和泉・油坂区間(同15・5`)の各区間で調査設計や整備工事、トンネル工事などを実施する。和泉・油坂区間の橋梁基礎掘削で、工法を機械掘削から発破掘削に変更。この他、トンネル変位に対応するため補助工法を追加したことなどから、全体事業費が約2457億円から約2847億円に増えた。
大野東・和泉区間のうち勝原インターチェンジ(IC)〜和泉ICの延長9・5`を23年秋に、和泉・油坂区間(和泉IC〜油坂出入口)を26年春に開通する予定。23年3月末の事業進捗率は、事業費ベースで大野・大野東区間が約94%、大野東・和泉区間が約86%、和泉・油坂区間が約69%となっている。
足羽川ダム建設事業では、福井県池田町小畑地先に、堤頂長約351b、堤高約96b、貯水面積約94fの重力式コンクリートダムを建設する。ボーリング調査や弾性波探査から想定していた地質より脆弱(ぜいじゃく)な地山だったため、支保工パターンを変更した。
また、地元協議により土砂運搬に使用するダンプトラック(10d)の一般道の走行を減らすため、工事用道路として運搬路を整備。現場周辺の環境対策として粉塵対策や交通誘導員などの追加対策を実施したことから、総事業費を約1300億円から約2500億円に増額した。
この他、降雨による法面崩落への対応に加え、働き方改革関連法に基づく労働条件の見直しも実施。全体工期を26年度までから29年度までに約3年延長する。