地域主体の公園運営の新たな仕組みの検討を進める京都市は2日、「公園施設」の整備指針案を明らかにした。
都市緑化審議会に設置した地域主体の柔軟な公園運営のための公園施設の在り方検討部会に示した指針案によると、公園施設は@公園利用者の交流スペースとしての機能Aイベントスペースとしての機能B公園の管理運営に当たり必要となる物品等の保管スペースとしての機能の3つ全てを備えることを必須とする(ただし、これらの機能以外に、公園の柔軟な管理運営に資すると認められる場合は、その他の機能を併設することも可能とする(例・収益の一部を公園の管理運営のための資金に還元するため、売店・飲食店としての機能を併設))。
公園施設の計画から供用開始までの主な手続きの流れは、(1)施設の配置や仕様(▽運営委員会及びサポート団体が協議の上、利用圏域の住民や公園関係者等と話し合い、施設の配置や規模、構造、仕様、運営ルールなどの計画案を作成▽利用圏域の自治会・町内会及び学区代表自治組織の同意を得る▽京都市及び有識者(緑化審議会委員等)と事前協議▽運営委員会及びサポート団体が中心となり、周辺の住民に対し計画案の説明を行う)、(2)施設審査委員会(施設の配置、機能、構造等が指針に適合しているかを判断する市の内部機関)の審査(▽施設審査委員会へ図面や資金計画、事前協議の対応状況を示す資料等を提出(別途、建築確認申請など法令上の必要な手続きあり)▽施設審査委員会による審査▽施設仕様適合証の交付を受ける)、(3)施設協定を締結して設置許可を受ける(▽設置主体と市で協定書を締結(設置主体がサポート団体の場合は運営委員会も含めての3者協定)▽設置主体から市へ設置許可申請)、(4)工事を施工し市の確認を受ける(▽工事完成後、市が確認(別途、建築確認申請における完了検査等を受ける必要あり))、(5)施設の供用開始。
検討部会では、市が民間企業らとモデル的に取組を進める伏見区深草の北鍵屋公園における共同研究の進捗も報告した。
市と民間企業等が実証実験や具体的実践に共同で取り組む公民連携・課題解決推進事業において、潟Zブン−イレブン・ジャパン(東京都千代田区)から応募があり、審査の結果、パートナー企業として採用。
同社の提案は、公園での活動を継続的に行うための拠点となる施設や活動資金の提供(@施設の提供(店舗と一緒に、地域が自由に使える屋内スペース、屋根付きウッドデッキなどの施設を提供)A活動資金の提供(店舗の売上の一部を公園での活動資金として地域に寄付。例えば、遊具を購入したり、祭りや防災イベントを実施するために使ったり、草刈などの一部を外注するなどの使い方を想定))。
モデル公園として、街区公園の北鍵屋公園(通称・消防公園。師団街道沿いの伏見区深草北鍵屋町、面積2282u)を選定。これまでにワークショップや意見募集のためのイベント、プロジェクトチーム会議を実施した。意見等を踏まえ、配置案をまとめ、検討部会に報告した《=図参照》。
次回の検討部会で、公園施設の在り方答申案をまとめる予定。