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日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/08/02

【埼玉】街路樹の枯死問題/建設業関係者も不信感/さいたま市が土壌調査へ

 中古車販売の大手企業が店舗周辺の道路沿道などの植栽に除草剤をまいていた問題では、事案が確認された県内の建設業関係事業者も不信を抱いている。日ごろから都市基盤など地域づくりに関わっている事業者からみて、公共物の一つである街路樹などを枯れさせた可能性がある行為には疑問しかない。
 ある業界団体の関係者は、故意であれば「許せない」と述べた。街路樹は管理者の依頼の下、剪定することはある。無断で処理するのは通常あり得ない。
 問題の企業は「当社の複数店舗において、過去に店舗で清掃活動の際に使用した除草剤等による影響により、街路樹や植え込みが枯れた可能性が高いことが判明した」とHPで説明。国土交通省、自治体による街路樹周辺の現地調査に全面的に協力するとともに、原状回復にも対応するとしている。
 さいたま市内では、市が管理する道路沿いに同社の2店舗が立つ。同社浦和美園店前の街路樹は昨年、市が台風前のパトロールの際に枯れている木(枯損木)を見つけ、伐採に至った。
 清水勇人市長は「街路樹は公共物。了解なく除草剤をまくことは聞いたことがない。厳正に対処する」と7月28日の記者会見で話した。該当箇所では土壌調査を行う。
 別の業界団体関係者はは今回の問題を聞き、道路上の公共物が勝手に改変された別の経験を思い出す。「車両の出入りに邪魔だったのか、道路安全施設のガードレールが取り外される事案があった。こうした問題には、企業や社会のモラル低下が共通する」と私見を述べている。