能代市は7月14日からの大雨を受けて1日に全員協議会を開き、市の対応や被害状況などを報告した。議員からは悪土川周辺の避難指示が遅れたことについて指摘があったほか、鶴形地区で道路の冠水により避難所までの移動が難しくなったことから、避難場所の検討を要望する声があがった。
7月26日時点の被害状況は、浸水などの建物被害が住家で310件(能代地域277件・二ツ井地域33件)、非住家で91件(同68件・同23件)あった。生産施設等はパイプハウス4棟で浸水・土砂の流入があり、農地および農業用施設では土砂堆積による農地被害が143件、土砂堆積や決壊などの水路被害が96件、路肩決壊や路面洗堀などの農道被害が38件、確認されている。
林道では能代地域で12カ所、二ツ井地域で51カ所の被害を確認。二ツ井地域では法面崩落、路肩決壊、路面洗掘が多かった。また、市道や市が管理する河川でも、法面崩落が10カ所、路肩決壊が13カ所、道路洗掘が7カ所で確認されている。
市は、土のう設置や法面崩落の応急処置費用などを先月25日に専決処分。今後はさらなる被害調査を進め、災害見舞金の支給や緊急を要するものの予算専決処分を行い、そのほかは9月の補正予算で対応するとした。
また、悪土川周辺(大瀬南・松長布)の避難指示が遅れたことについては、米代川の早川水門閉鎖が16時35分と夕方で、夜間にかけて悪土川の水位が上昇したこと、夜間の避難は危険と判断し翌朝の避難指示となったことを説明。今後は、早めに避難所を開設するなど、対応方法を検討していくとした。
鶴形地区では、水路の氾濫により駅周辺の道路が冠水。避難所である鶴形地域センターまでの移動が困難だとして、市は車で移動が可能な住民に扇田の東部公民館を避難所として案内した。車のない高齢者などもいるため、今回の件を踏まえ鶴形地区の避難場所のあり方から再検討するとした。
提供:秋田建設工業新聞社