建通新聞社
2023/08/01
【大阪】OWGSとクリアウォーターOSAKA協定
大阪水道総合サービス(大阪市阿倍野区)とクリアウォーターOSAKA(大阪市中央区)は7月20日、国内外の上下水道の一体的な課題解決と持続性確保への貢献を目的に業務連携協定を結んだ。国土交通省が6月に決定したPPP/PFI推進アクションプランの中で新たに設定された「ウオーターPPP」の推進に向けた協定となる。
大阪水道総合サービスの松本広司代表取締役は、日本の上下水道事業が抱える課題の他、アクションプラン改訂や水道行政の移管など国による取り組みを説明し、「広域連携やDXの推進などによる上下水道事業の持続性確保に向けた取り組みが進められている中、国の動きに伴い、上水道事業と下水道事業の一体的な整備・管理に向けた動きが大いに進展するのではないか」と業界の将来について見通しを立てた。
さらに今後の取り組みについて、「連携を強化しつつ、顧客ニーズに対して円滑に対応できる体制を整える。お互いが有する技術力、ノウハウ、人材などを相互に提供・補完し合い、業務拡大と安定した受注体制を確立することで、国内の地方公共団体および海外諸国の上下水道事業の課題解決と持続性確保に貢献する」と述べた。
クリアウォーターOSAKAの河谷幸生代表取締役は、「(国の取り組みにより)上下水道業界全体の流れが大きく変わっていく予感がする。今回結んだ協定は時宜を得た取り組みだ。協定の趣旨を踏まえて、具体的なプラン、実績づくりに早速取り組む」と積極的な姿勢を見せ、「民間企業が安心感を持ってウオーターPPPを導入した事業に飛び込めるように、コーディネーター役、アドバイザリー役としても受け皿を作りたい」と述べた。
協定の対象となる連携事業は、@上下水道パッケージ型で発注される業務の受託に関することA大阪市域外の水道施設における設計、施工監理、運転維持管理、その他行政補完的な技術アドバイザリー・モニタリングなどの発注業務の受託に関することB大阪市域外の下水道施設における設計、施工監理、運転維持管理、その他行政補完的な技術アドバイザリー・モニタリングなどの発注業務の受託に関することC海外展開に係る業務全般Dその他、民間企業などからの発注業務の受注に関すること―の五つ。
「ウオーターPPP」とは、水道・工業用水道・下水道を対象にした事業方式を指し、公共施設等運営事業(コンセッション)と管理・更新一体マネジメント方式がある。管理・更新一体マネジメント方式はPPP/PFI推進アクションプラン改訂時に新設された制度で、運営権を持たずに更新と維持管理業務を行う。契約期間は原則10年間。