日本建設業連合会北陸支部の市民現場見学会(富山・石川地区)は24日、南砺市利賀村で進む利賀ダム建設事業の工事現場で、金沢大学の学生を対象に開かれた。
北陸地方整備局利賀ダム工事事務所の協力を得て開催。この日は、理工学域地球社会基盤学類の2年生34人が、大成建設が施工する「利賀トンネル(2工区)工事」の現場を訪れた。
はじめにダムサイト左岸広場で、利賀ダム工事事務所の岡田武調査設計課長から事業の概要や工事の進捗状況について、実際の事業個所と見比べながら説明を受けた。トンネル内に移動後、大成建設の藤木栄治現場代理人が、現場の状況写真を示しながら工程を解説し「現在は掘削・覆工を施工中で、約650メートルまで掘り進んでいる。全体の進捗率は約24%になる」と述べた。
利賀トンネル(延長4・96キロ)は3工区に分けて施工される。2工区はトンネル中間部の約2・4キロ区間で、工期は2022年3月〜25年3月まで。
その後、利賀市民センターに移り、利賀ダムDXルームを見て回り、技術者らとの交流会が行われた。利賀ダム工事事務所のほか、大成建設、五洋建設、前田建設工業、清水建設の5社が参加。6グループに分かれて、ざっくばらんに意見を交わした。学生からは、印象深い仕事や現場をはじめ、給料や休日、異動など具体的な待遇についての質問が出ていた。
岡田調査設計課長は、「公務員はもちろん、建設業界といっても測量や調査設計のコンサルタント、大手ゼネコン、地域を下支える地元企業など幅広い。興味を持つきっかけにしてほしい。業界に入ってもらえれば、ダムの本格的な工事の時期にちょうど携わってもらえるタイミングでもある」と話し、今後も担い手確保・育成を目指して積極的に現場見学会を受け入れたいとする。