京都市は、西京区の洛西ニュータウンの再生に向け、若年・子育て世代らのニーズに合った住宅(分譲マンションなど)の供給を可能にすることなどを盛り込んだ都市計画見直し原案をまとめた。
都市計画見直し原案を地区別にみると、西京区役所洛西支所などが立地する中心施設地区の「@タウンセンター地区」について、見直しの方針では、@1、2階部分に一定以上の賑わい機能を導入した場合、共同住宅の建築を可能とする、A@に加えて、より大規模な賑わい機能を導入し、かつ周辺への圧迫感を低減し、良好な環境の維持に資する建築物は、高さ制限を適用しないこととする。
現行の31m第一種高度地区、用途地域(商業地域)・建ぺい率(80%)・容積率(400%)は変更なしだが、賑わい機能の導入やゆとりある空間構成等の条件を満たす場合は31mを超えて建築することを可能とする。
会館(コミュニティセンター)などが立地する「Aサブセンター地区」については、見直しの方針として、コミュニティ施設となっている会館の老朽化等も踏まえ、将来的な建て替え・再整備に備えた柔軟な活用を促進・可能とするために、用途地域を見直す。
現行の第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%)を「近隣商業地域(建ぺい率80%)」に変更。15m第一種高度地区を「15m第三種高度地区」に変更する。容積率(200%)は変更なし。
「B学校統合後跡地(竹の里小学校、西陵中学校)」は、見直しの方針として、地域ニーズや地域課題の解決につながる将来的な利活用に備え、柔軟な活用を促進・可能とするために用途地域を見直す。
現行の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%)を「近隣商業地域(建ぺい率80%)」に変更。15m第一種高度地区を「15m第三種高度地区」に変更する。容積率(200%)は変更なし。
「C中高層住宅地区」は、見直しの方針として、住むだけでなく、日常に潤いを与える魅力ある生活利便機能や働く場の充実など、新たなライフスタイルの実現を図るために用途地域を見直し、2階以下かつ延1500uまでの物販・飲食等の店舗やオフィスの立地を可能とする。
現行の第一種中高層住居専用地域を「第二種中高層住居専用地域」に変更。建ぺい率(60%)・容積率(200%)・高度地区(15m第一種)は変更なし。
「D洛西竹林公園」は、見直しの方針として、人々が集い、憩う場として、カフェの併設など、公園の柔軟な活用を促進・可能とするために用途地域の見直し等を行う。
現行の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率80%)を「第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)」に変更。10m高度地区は「12m第一種高度地区」に変更する。また大枝北福西町二丁目地区計画、大枝南福西町二丁目・三丁目地区計画について、用途を一戸建住宅等に限定しているが、公園区域は地区計画の制限の対象から除外する。
「E低層住宅地区」は、現在、広い敷地を確保するため、地区計画により敷地の最低限度(160u又は170u)を定めているが、敷地面積が大きくなる分、若年・子育て世代が購入しにくい価格になりがちなため、将来的な建替え・リノベーションに備えて、現在の地区計画の内容を社会情勢の変化に合わせて見直すことについて、地権者と検討・協議を進めていく。
原案については、7月29日開催のタウンミーティングで説明会を実施。8月4日から21日に原案の縦覧を行う。その後、都市計画審議会に諮る。すぐに着手可能な取組は秋頃にもとりかかる考え。
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洛西ニュータウンを巡っては、洛西地域の再興を図るプロジェクト『洛西“SAIKO”プロジェクト 〜さあ、行こう。洛西のミライへ。〜』を市が今年4月に立ち上げた。
また、今年10月に京都駅東側の崇仁地区に移転する京都市立芸術大学(西京区大枝沓掛町)についても、移転後の跡地の民間活力による活用を検討。公募型プロポーザル方式で優先交渉事業者を選定するにあたり、地域の代表、学識経験者、公認会計士、市民公募委員から成る選定委員会を8月中に立ち上げ、まずはプロポに向けた募集要項を審査する予定。その上で9月中にも公募を開始し、事業者からの提案を募集する考え。