香川県は、高松市サンポート地区の一部車道を廃止して遊歩道とする計画について、地域住民をはじめとする関係者との合意形成が得られれば県立アリーナ開業予定の2025年3月をめどに一定のプロムナード化に取り組む。その前段階として、8月に、JR高松駅北側の道路を車両通行止めにし、県立アリーナ周辺道路の車線を減らして歩行者天国にする社会実験を行う。7月12日の高松中心市街地プロムナード化検討会議の2回目の会合で示した。県は社会実験の後、交通、物流事業者を対象としたヒアリング調査を行い、10月ごろの第3回会合を経て近隣住民向けの説明会やパブリックコメントを実施する方針だ。
JR高松駅から25年3月に開設予定の県立アリーナに向かう動線となる高松駅北側の道路は、多くの歩行者と車両の交差が懸念される。サンポート地区のプロムナード化に向けて、高松駅北側道路を車両通行止めにしつつ、アリーナ北側の車道を車両通行止めにしたり、歩行者と公共交通機関だけが通行できるトランジットモール化したり、現状の4車線を2車線にして歩行者が横断しやすいようにするなど複数のプロムナード化の検討パターンを設けた。
委員からは「県立アリーナができることで、人や車の流れも大幅に増えると思われる。現状の実証実験だけでなく、開業後の交通状況も想定すべきではないか」という意見が出た。県は、メインアリーナで1万人規模のイベントを開いた場合、JR高松駅北側からアリーナに向かうルートが主な動線となる通行止めを行うためには、警察や高松市との調整、地域への周知や、誘導員設置などが必要となり、イベントごとに主催者にこういった手続きを求めることは非常に困難だと説明し、プロムナード化を進めていく必要性を訴えた。また、イベント時に車で来場する人も多くいるが、将来的に車に過度に依存することを抑制していく必要もあると説明した。
今月開かれたG7香川・高松都市大臣会合のコミュニケでも、安全で快適なウォーカブル空間を開発することを奨励している。
提供:建通新聞社