白山市は、松任中川一政記念美術館の魅力向上に向けたリニューアル改修事業について、基本設計に関するプロポーザル競技を近く公告する方向で調整している。
旭町地内にある既存施設の規模はRC造平屋建て405平方メートル。1986(昭和61)年に建設され、築後約40年が経過している。施設の老朽化が進んでいることを踏まえ、リニューアル整備に伴って規模を拡大する。500平方メートル程度を増築するとともに、設備を含めた長寿命化改修工事も施す。
計画によると、展示室やロビーといった来館者ゾーンの魅力アップに向けた改修、作品の適正管理へ収蔵庫の機能強化、空調設備の更新、照明のLED化などを検討していく。JR松任駅に近接する立地条件を勘案し、駐車場や荷捌きスペースなど外構も含めた総合的な整備内容について、プロポーザルを通し、事業者から提案してもらいたい考えだ。2026年度中のリニューアルオープンを目指す。当初予算に1035万1000円を計上している。
中川一政氏は、日本洋画壇の巨匠で文化勲章受章者。同美術館では、松任地区に縁が深い中川氏の絵画や書、陶器など様々な作品を所蔵する。
JR松任駅前は、リニューアル整備を施した「松任ふるさと館」などが立地する文化ゾーンとなっている。同美術館の安全性と機能性などを高め、さらなる誘客促進や地域活性化につなげたい考えだ。