北海道建設新聞社
2023/07/20
【北海道】ラピダス工場、道外からどう人を集めるか 岩田道商連会頭
北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会頭は18日、札幌市内で北海道経済記者クラブ加盟社と懇談した。今秋始まるラピダスの次世代半導体工場建設工事で労働者が足りなくなる可能性に触れ、「道外からどう人を集めてくるかが重要になる」と述べた。慢性的な建設業界の人手不足に関しては、ITなどの新しい手法を駆使して生産性を上げることが必要と指摘した。
ラピダスについて「北海道にも日本にも重要なプロジェクト。食と観光を中心としてきた本道に新しい産業の芽が生まれる。しっかりと成長させることが地域にとって重要で、われわれも積極的に支援したい」と期待を表明。2025年に試作ラインを稼働させる建設計画を「工期が短くて厳しい仕事」と述べ、「完成したあかつきには、従業員の生活面や、工場内の食事や清掃など多様なニーズに応えられるよう道内各地の会議所を通じて協力したい」と話した。
鹿島の施工に関しては「熊本で建設中のTSMC工場で苦労した部分をラピダスでは解決しながらやっていくと聞いている。プレキャスト化で生産性を高めるなど、相当考えている」とした。
その上で人員確保は「おそらく本道だけではすまない。どうやって本州から集めるかが重要になる」と発言。一方で「熊本の建設業協会からは、鹿島が労働者を外から連れてくるため地元業者は県や市町村の工事を続けていて、TSMCの影響はあまりないと聞いた。北海道でどうなるのかは分からない」と話した。
このほか、札幌市の30年冬季五輪・パラリンピックの招致運動にも言及。「残念ながら東京大会のさまざまな問題で機運が盛り上がってこない。厳しい状況にはあるが、五輪開催の意義は大きく、あくまで30年開催を目指して頑張りたい」とした。JR函館線函館―長万部間の貨物路線問題に関しては「なんとしても維持が必要で、国全体の問題であることを引き続きアピールする」と強調した。