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滋賀産業新聞
2023/07/21

【滋賀】滋賀県 衛生科学センターの移転整備

 滋賀県は、大津市にある衛生科学センターの移転整備事業を計画、今年度は整備・運営事業に係る官民連携(PPP/PFI)手法導入可能性調査を実施し、従来型手法(直執行)と比較し、適否評価を行う方針だ。
 同センターは、細菌・ウイルスなど感染症行政検査や、食中毒・水道水質分析などを行う県唯一の地方衛生研究所。現庁舎は旧館が昭和45年、新館が昭和50年に整備されており、老朽化が著しいことに加え、県県有施設更新・改修方針において「更新事業予定施設」に位置付けられていることから今回事業化となった。
 整備内容は、基本コンセプトは、健康危機管理事案に最先端の知見で迅速に対応できる地域に開かれたセンターとし、移転地は旧長浜北高校跡地や旧近江学園跡地等、全県から候補となる県有地を検討した結果、周辺に病院等が多いことやアクセスに優れているなどの理由から、びわこ文化公園都市の属する草津市笠山にある旧歯科技工専門学校敷地に選定した。
 現段階の配置計画は、学校敷地3380平方b内に、5階建、延約3800平方bの施設を新棟と付属棟に分けて配置する。その他南側に駐車場を、東側には廃液処理装置スペースを確保し、新棟へのアプローチは北側からとし、敷地の有効活用を図る。各階のゾーニングは、1階は事務や重量の重い機器を設置する放射能測定エリアに、2階は1階との連携が必要な理科学系を、3・4階に微生物係を配置予定。5階は動物舎を設ける考えだ。
 事業費は、25億9000万円を予定。項目別に見ると、基本計画・調査等委託費に6000万円程度、建設設計・監理費に約2億円、建設工事費に23億3000万円程度(既存センター解体工事費2億円程度を含む)を見込んでいる(研究実験機器や移設に係る経費は別途)。
 事業スケジュールは、今年度に整備・運営事業に係る官民連携(PPP/PFI)手法導入可能性調査を実施し、24年度(令和6年度)に実施方針策定・入札・契約関連事務を進める。25年度(令和7年度)に実施設計を行い、26年度(令和8年度)に工事、27年度(令和9年度)からの供用開始を目指していく。
 なお、県は過去に実施した簡易検討の結果、民間運用範囲によるが整備費・運営費について、DBO方式の場合は1億3900万円、BT方式の場合は2億1200万円の財政支出削減が見込めると算出。今年度実施する調査において、その結果を念頭に入れ、メリット・デメリットをしっかりと区別し、適否評価される見通しだ。

提供:滋賀産業新聞