県湖北農業農村振興事務所は、米原市大野木地先の未改修のため池「深谷下溜」について、農地防災事業(ため池整備事業)緊急防災工事として県営事業に新規採択。23年度は8〜9月にも実施設計や測量試験を発注し、24年度にも初弾として仮設工事を発注・施工したい考え。25年度は洪水吐と取水設備の改修工事をそれぞれ発注・施工すると共に堤体改修工事も発注・着工し、堤体は2ヵ年で施工する計画。事業費は総額1億7535万円を投じ23〜26年度の4ヵ年で全体完了させたい考えだ。
農業用水などに利用されている「深谷下溜」(大野木)は、堤高4・75b、堤長200b、取水施設1ヵ所を備えた貯水量2700立方b規模のため池。洪水吐が設置されていないため、ため池の安全性向上に向け、洪水吐の新設をはじめとする改修整備を行う。
改修計画によると、取水施設は斜樋(スライドバルブ)および底樋(スライドゲート、底樋管)を老朽化改修し漏水対策として遮水シートを設置。洪水吐(B3・5b、H0・3b)は新設する。堤体は現況堤体掘削工による盛土で復旧し、法面保護工(張ブロックtcm)を実施。
総事業費は1億7535万円で、このうち工事費は堤体工6214万2000円と取水施設工2334万5000円、仮設工5291万3000円を合わせた計1億3840万円、2860万円を測量試験費(測量設計費・現場管理費)に充当する。
深谷下溜のため池整備事業は米原市が21年度の耐震化整備事業計画策定業務(担当=キタイ設計長浜事務所/長浜市)および路線測量(湖東測図/米原市)、22年度の申請手続きまでを市で実施し、23年度の新規事業採択をもって県に所管が移り、今年度の詳細設計から24年度の工事着工、26年度までの施工を県で行う見通し。
提供:滋賀産業新聞