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建通新聞社(中部)
2023/07/19

【岐阜】河川工事安全技術委員会 99%が働き方改革を実施

 河川工事安全技術委員会(河村武博常任委員長)は、「建設業働き方改革〜2024年までに建設業者が取り組むべきこと〜」と題して会員企業にアンケートを実施し、その結果を公表した。
 同委員会には、河川工事を受注する岐阜県内企業37社が加盟。アンケートは「長時間労働の是正」「給与、社会保険の改善」「生産性向上」を主眼とし、一部会員企業の土木系の現場を担当する正社員を対象に実施した。男性社員121人、女性3人の計124人(10代8人、20代63人、30代28人、40代25人)から回答を得た。
 具体的な質問内容は@建設業の働き方改革についてA週休2日制についてB今後の建設業について−の3点。働き方改革に取り組んでいると感じるかという問いには、約73%が会社全体で取り組んでいる、約26%が一部で取り組んでいると回答し、合計99%で何らかの改革に取り組んでいるという結果となった。また、働き方改革に伴い自らの働き方が変わったかとの問いには、改善したと答えたのは昨年度に行った前回調査から7%増えて約52%となり、現場レベルで改善の実感があることが分かった。
 一方で、働き方改革が進まない理由については、人手不足が54%と半数を超え、次いで給料(残業手当)が減る17%、効率的な手法が分からないが16%となり、ITなどの設備投資への不安を抱える企業も5%あった。解決策として、人手不足の解消(離職者を減らす)、完全週休2日制の実現、給与・社会保障制度の拡充、IT化による生産性の向上を求める声が上がった。
 週休2日制についての問いには、約72%ができていると回答。前年度が58%だったことを考えれば、1年でかなり改善されていることが伺える。一方で、現場の週休2日制が実現できない原因として約40%の人が「工期が間に合わない」と回答。また、協力会社の都合や発注者の都合なども実現できない理由の上位にきており、受注者だけの努力では解決できない問題であることも改めて浮き彫りになった形だ。週休2日をさらに普及させるには、発注者による適正な工期設定や発注時期の平準化、労働単価の向上、日給月給の作業員の給与体制の見直しなどが求められる。
 今後の建設業についての問いには、魅力があると回答したのは前回の59%から47%に下落。一方で、魅力がないと答えた人の数は前回の14%から18%に上昇している。この理由として、仕事量が対価に見合わない、危険と隣り合わせ、無駄な書類の多さといった声が聞かれた。それでも約半数の人が建設業には魅力があると答えており、完成時の達成感やチームワークといった答えの他、最新の技術を使用できるなど若年層を呼び込むヒントにつながりそうな回答もあった。
 同委員会は人手不足に対する解決策として、定着率の改善に加えて、若年層および女性へのPRが不可欠としており、育児休暇も含めた「休暇の取りやすい環境づくり」「給与面での改善」など社員が働きやすい会社づくりに向けた努力が今後も必要とまとめている。
提供:建通新聞社